就職氷河期世代の親が中学受験を激化させている?「中学受験なんてしてもしなくてもいい」受験の専門家・にしむら先生が断言するワケ
中学受験なんて、してもしなくてもいい
ではやはり、子どもには中学受験をさせるべきなのでしょうか? 保護者、とくに小学2~3年生の子どもを持つ方のかなりが、少なくとも一度はその点に頭を悩ませたことがあるでしょう。 「私は正直、中学受験はどうでもいいと思っているんです。受験してもしなくても、どっちでもいい。したほうがいいのか否か、その判断基準もないと思っています。例えば、持ち家か賃貸か、結婚するかしないか、スマートフォンのキャリアがドコモかauか、そこに良い悪いはないですよね。どちらにもプラス面とマイナス面があります。中学受験もそれと同じで、お子さんと保護者の方の考え、そして好みの問題です」 中学受験はしてもしなくてもいい。それは西村先生自身の経験に基づく考えでもあります。 「私は受験の成功者ではないんです。中学受験は途中でやめて、高校は単願推薦で入学。大学受験もほとんど勉強せずに、入れるレベルのところに行きました。でも逆にそれがよかったと思います。学歴が高いからといって、社会で成功できる、人生で優位に立てるわけではありませんよね。私が働いていた塾業界なんて、そのいい例です。勉強ができる人って、できない人の気持ちがわからないんですね」
子どもの人生は12歳で終了するわけではない、と西村先生は指摘します。 「中学受験は最終の目標ではありません。どこの学校に行ったかというのも、大して重要ではありません。“生きること”がまずあって、そこに中学受験が乗っているだけ。過程にすぎないんです。受験を通して学ぶことが楽しいなと思えたり、生きていくための知識や考え方、新しい視点が得られたら、素敵なことだと思います。私はそう考えながら、教育や受験についての情報を提供させていただいています」 「ただ、中学受験に向けて成績が上がりやすい子、上がりにくい子、というタイプはあります」と西村先生。 こちらは関連リンク<「中学受験に有利な子」のすぐにわかる特徴とは?受験指導専門家・にしむら先生が解説>にて公開中です。
西村 創先生のプロフィール
早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings、栄光ゼミナール、明光義塾などで指導歴25年以上。新卒入社の早稲田アカデミーでは入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、当時初の20代校長として香港校校長を務め、過去最高の合格実績を出す。河合塾Wingsでは講師、教室長、エリアマネージャーを務める。また、全国の中学校・高校でのセミナー講演、書籍執筆などに携わる。著書は『中学歴史が面白いほどわかる本』(KADOKAWA)の他多数。 YouTube「にしむら先生 受験指導専門家」配信中。 中学受験ナビ「中学受験3分メソッド」提供中。