<解説>映画「誰も知らない」から20年 コミカルからシリアスまで変幻自在 “カメレオン俳優”柳楽優弥の魅力
9月6日公開の映画「夏目アラタの結婚」(堤幸彦監督)、10月スタートの連続ドラマ「ライオンの隠れ家」(TBS系、金曜午後10時)で主演を務めるなど、映画にテレビに引っ張りだこの柳楽優弥さん。そんな柳楽さんが“天才子役”として一躍脚光を浴びたのが、ちょうど20年前の2004年8月に公開された映画「誰も知らない」(是枝裕和監督)だ。当時14歳だった柳楽さんは、この作品での演技が評価され、史上最年少かつ日本人として初めてカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。いまや映像界に欠かせない存在となった柳楽さんの20年の“軌跡”を振り返る。 【写真特集】夫婦で釣り、ピアノ、みそ作り 柳楽優弥の“誰も知らない”プライベート
◇一時休業からの復帰 コメディー挑戦で新境地
「誰も知らない」で鮮烈な印象を残した柳楽さんは、「星になった少年 Shining Boy & Little Randy」(河毛俊作監督)、「シュガー&スパイス 風味絶佳」(中江功監督)などで主演を務め、テレビや映画を中心に活動を広げるが、体調不良のため俳優業を一時休業。休業中は、社会勉強のためにアルバイトに勤しむなど、人間としての幅を広げることに注力していたという。
その後、2010年公開の映画「すべては海になる」(山田あかね監督)で、佐藤江梨子さんと共に主演を務め、復帰を果たした。
2012年には、故・蜷川幸雄さん演出で、村上春樹さんのベストセラー小説を舞台化した「海辺のカフカ」に主演し、華々しく舞台デビュー。2013年には、映画「許されざる者」(李相日監督)で、渡辺謙さん、佐藤浩市さん、柄本明ら実力派俳優と共演。アイヌの若者を演じ、抜群の存在感を放った。
以降も出演作を重ね、2014年には連続ドラマ「アオイホノオ」(テレビ東京系)で連続ドラマ初主演。柳楽さんにとって初のコメディー作品となった本作で、マンガ家を目指す大学生役を、変顔や絶叫を交えながらコミカルに演じ、新たな一面を見せた。
◇ほぼせりふなしの狂気的演技 ビートたけし役も話題に