【8月は年金支給月】知っていますか?老後の厚生年金&国民年金から《天引きされる4つのお金》令和シニアの年金月額データも紹介
2024年7月5日、公的年金の積立金を運用する機関GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国内外の株価の上昇や円安を背景に、昨年度の運用実績が過去最大の45兆円4000億円余りの黒字になったと発表しました。 ◆【図表5枚】ちょっとわかりくい「年金制度」のしくみ&令和シニアの厚生年金・国民年金受給額丸わかり! 国内外の株価が上昇したことに加えて円安が進んだことで、収益がさらに押し上げられることとなり、黒字はこれで4年連続です。 さて、老後に受け取る公的年金からも「天引き」されるお金があることをご存知でしょうか。 今回は、そんな年金のしくみの基本をおさえたあと、今のシニアの方々の年金受給の状況、また年金から天引きされるお金について詳しく見ていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【厚生年金と国民年金】公的年金制度は2階建て
国民年金と厚生年金から成り立つ、日本の年金制度の基本をおさらいしましょう。まず、それぞれの年金制度のあらましから。 ●国民年金 国民年金の加入対象は、原則、日本に住む20歳以上60歳未満の人全員です。年金保険料は全員一律で、2024年度月額 1万6980円。これを40年間(480カ月)もれなく納付することで、老後に満額の国民年金を受給できます。 未納期間や免除期間については、月数に応じて満額から減額される仕組みです。 ●厚生年金 公務員や会社員などのサラリーマンは、国民年金に上乗せして厚生年金に加入します。 厚生年金保険料は、収入に応じて決まります(ただし上限あり)。そして、年金加入期間や納めた保険料により、老後の受給額に個人差が出るのも特徴です。 次では、今のシニアが実際に受け取っている年金額に関する資料を見ていきます。
「厚生年金」の月額平均はいくら?
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、今のシニアが受け取る老齢年金の「額面」を見ていきます。 まずはサラリーマンだった人が受け取る厚生年金から。 ※本記事で紹介する厚生年金保険(第1号)の年金月額には、国民年金の月額部分も含まれます。 ●厚生年金の平均受給月額 〈全体〉平均年金月額:14万3973円 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円 ●厚生年金月額階級別の老齢年金受給権者数 ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 先述の通り、厚生年金は現役時代の収入に応じて年金保険料が決まるため、受給額分布をみるとばらつきがありますね。 平均月額を単純比較しても、その男女差は約6万円。現役時代の働き方や賃金の男女差などがその背景にあることは間違いないでしょう。 次は国民年金についても見ていきます。