来年の消費増税までに“駆け込み”で買うべきものは何か?
■消費税10%前に買うべきはエコカー マイホームに次いで高い買い物となるクルマはどうか?日本自動車販売協会連合会によると、2013年度の新車販売台数は前年度よりも9.3%増の569万2167台。今年1~3月は、前年同月よりも2~3割多く売れており、駆け込み購入に走った人の多さは明らかだ。 しかし、買い手が多いということは、売り手のディーラーが値引き交渉で強気に出ていたことは容易に想像できる。しかも、「3月中」という時期の区切りがあるため、買い手は買い急いでしまう。百戦錬磨の営業マンがそこを見逃すはずはないだろう。 しかも、住宅と同じく、消費増税による反動の売り上げ減を抑えるため、自動車取得税は4月に5%→3%(軽自動車は3%→2%)に下がっている。さらに、消費税が10%になった時点で今の3%もなくなり、廃止となる。つまり、消費増税を理由に急いで買う理由はないことになる。 ただ、人気のエコカーはもともと自動車取得税が免除されているので、消費税が上がればその分まるまる負担増となる。また、人気のエコカーほど納車に時間がかかり、中には半年ほどかかった車種もあるという。消費税は、陸運局での登録時点の税率で算出されるので、エコカーの購入を考えている人は、早めに動いた方が良いだろう。 ■増税による影響は高額商品でも数千円程度 家電製品はどうか?価格の比較サイト「価格ドットコム」でシャープの液晶テレビ「AQUOS クアトロン プロ(60インチ)」の平均価格の推移を調べた。駆け込み需要があった3月中は、25万円程度で推移。3月末には26万円に跳ね上がった。しかし4月に入ると状況は一変。価格は下落傾向に転じ、4月中旬には22万円近くにまで下がった。ピーク時と約4万円の差だ。税率アップ分の数千円などは問題にならない。これだけ見れば、3月中に買った人は「損」をしたと言わざるを得ないだろう。すべてとは言い切れないが、家電販売の業者側も駆け込み需要を見越して、増税前に強気の値段設定をしていたとしても不思議はない。 家電は新製品もやがて旧モデルになる。特に、来年の消費税アップが予定されているのは10月。クリスマス商戦を控え、各メーカーが新製品のリリースを控えた時期だ。たとえ10月時点では最新型でも、間もなく新製品が登場すれば、すぐ値下がりする可能性はなおさら高い。この時期の家電製品の駆け込み購入は、逆に賢くない選択となりそうだ。 消費増税がせいぜい数千円程度の買い物であれば、結局は消費税アップに惑わされずに、自分が「欲しい」と思った時期に欲しいものを買えばよいのではないだろうか。 (文責・坂本宗之祐)