茂木幹事長 9月の総裁選にらみ東南アジアで外交力アピール 裏切り者“明智光秀”にならずに出馬する秘策とは―
■茂木氏、判断基準は「難局を乗り切るのにふさわしい人物なのか」
「(首相を支えるべき)今の仕事がどうであるとか、例えば明智光秀になるんじゃないかとか、色々な意見があるかもしれませんけれど、この難局を乗り切るのにはどうしたら良いのか、また自分はそれにふさわしい人物なのか、これは大きな判断基準だ」 総裁選には出るのか出ないのか。茂木氏の去就が注目される中、本人は判断の基準について、こう語った。 判断の時期についても、これまで通り「9月上旬まで」に判断するとしか話さなかった。茂木氏周辺も「まずは岸田首相が立候補をどう判断するか。それで構図は一変してしまう」と話す。政権ナンバー2だけに岸田首相次第、受け身である面は否めない。
■裏切り者“明智光秀”にならない道 最初でなければ良い?
茂木氏はこれまで“裏切り者の明智光秀にはならない”と強調し、岸田首相が再選を目指す限り、自らが総裁選に出馬することはないという趣旨の発言をしてきた。 ところが、これに変化が見られたのが先月。BS日テレの「深層NEWS」に出演した際に「明智光秀は1人で本能寺を急襲をした。自分が総裁選に“最初に”手を挙げることは絶対ない」と述べた。“最初に”を付け加えたことで、自分より先に総裁選に名乗りをあげる人がいれば、自らも立候補する可能性があると受け取れる発言だった。 盟友と呼ぶ梶山幹事長代行も、「誰が出ては駄目だということはない。乗り越える情熱があるかどうか」と述べ、党の幹部や閣僚でも出馬は制限されないとの考えを示し歩調を合わせている。 ただ、岸田首相に近い自民党幹部は「茂木さんは一番最後に手を挙げる作戦だ。彼らしい感じだけど、それでも幹事長のままで手を挙げれば“光秀”であることに変わりはない」とけん制している。 総理総裁への意欲を隠さない茂木氏。果たして幹事長のまま立候補に踏み切るのか。この夏、大きな決断を下すことになる。