“クルーズ客おもてなし”のために動き出した「勝手にボランティア」 観光客目線で見えた長崎磨きのヒント
2024年、約150隻のクルーズ船が入港する予定の長崎市。観光客の受け入れ態勢の強化が課題となる中、外国人観光客を案内しているボランティアガイドの活動に注目すると、ブラッシュアップすべきポイントが見えてきた。 【画像を見る】「ここはどこ?」観光地に行きたいのに、迷うクルーズ船を降りた外国人観光客
「ここはどこ?」迷う外国人観光客
2024年6月1日、長崎に入港したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス。 欧米や香港、カザフスタンなど様々な国や地域から観光客がやってきた。ターミナルにある路面電車の一日乗車券売り場には行列もでき、多くの外国人観光客が長崎市内の観光マップを手に、観光名所で国宝に指定されている「大浦天主堂」や長崎に原爆が落とされた場所(爆心地)の近くにある「平和公園」などへの行き方をボランティアガイドから教わっていた。しかし、街に出てみるとクルーズ客は思わぬところで足を止めることになる。 外国人クルーズ客:Where we now here? We don’t have a map.(ここはどこ?地図を持っていなくて) 早速、道に迷ってしまう観光客もいた。最近では自分の足で観光を楽しむ人が増えているが、外国語表記の案内板が少なく困り顔だ。
困った外国人をお助け
ターミナル近くの路上で外国人クルーズ客に道案内をする人たちがいる。平川富惠さんは長崎市内の英会話サークル「Thirty」に通うメンバーだ。平川さんは「勉強をする中で実際に外国人とお話したい。簡単な道案内ができたらなと活動を始めた。おもてなしの気持ちで長崎に来てよかったと思ってもらえるように少しずつやっている」と語る。 平川さんは「勝手にボランティア」と題して、路面電車やバスの乗り方、観光地への行き方などの案内をしている。 「Thirty」メンバー 平川富惠さん:Take the tram, catch the tram,No.5 tram(路面電車に乗って。5番の路面電車) 外国人クルーズ客::No.5(5番) 「Thirty」メンバー 平川富惠さん:A few minutes,2 minutes(数分。2分くらい) 外国人クルーズ客:OK(わかった) 平川さんは「バス停が目の前にあるけど、電車の乗り場と間違える方も多く、分かりやすい英語表記や色んなところで英語表記を進めるなど、ハード面をクリアすればもっとよくなるんじゃないかと思う」と指摘した。