【速報】父親にインスリンを過剰投与…練炭自殺に見せかけ弟を殺害 女側が最高裁に上告 1審・2審は「無期懲役の判決」
2018年に大阪府堺市で、インスリンを過剰に投与し父親を殺害した罪や、練炭自殺に見せかけ弟を殺害した罪に問われ、1審・2審で無期懲役を言い渡された足立朱美被告(49)をめぐり、5月10日、被告の弁護人が最高裁に上告しました。 判決によりますと、足立朱美被告(49)は2018年に堺市で、▽父親の富夫さん(当時67)に多量のインスリンを注射で投与し、低血糖脳症に陥らせて死亡させたほか、▽弟の聖光さん(当時40)を睡眠薬を飲ませ眠らせた上で、練炭を燃やし、一酸化炭素中毒で死亡させました。 これまでの裁判では、富夫さん死亡と聖光さん死亡のいずれも、検察側と弁護側との間で事件性と犯人性が争われてきました。
「低血糖放置死ぬ?」「インスリン注射服の上から」などの検索履歴
1審の大阪地裁(2022年11月判決)はまず、糖尿病患者で血糖値のコントロールにも長けていた富夫さんが、誤ってインスリンを過剰投与したとは考えにくいと判断。 さらに、「低血糖放置死ぬ?」「低血糖死亡」「インスリン注射服の上から」などの検索履歴が朱美被告の携帯電話機に残っていたことなどから、朱美被告が過剰投与を実行したと断じました。 また弁護側は、すでに終末期だったガンの進行が与えた影響を指摘しましたが、地裁は「低血糖脳症により植物状態に陥り、誤嚥性肺炎が起きたことで、栄養減量が実行され死亡につながった」として、インスリンの過剰投与と富夫さんの死の因果関係を認定しました。
練炭をオンラインで購入 偽の遺書をパソコンで作成…
大阪地裁は弟の聖光さんの死についても、 ▽朱美被告が一酸化炭素中毒についてインターネットで検索・閲覧したり、オンラインショップで練炭を購入していた点 ▽「俺はおとんにインスリンを打った」などと記された遺書が、朱美被告が使ったパソコンで作られていた点 ▽遺体から、朱美被告にしか処方されていなかった睡眠薬の成分が検出された点 などから、「朱美被告が、聖光さんを父親殺害の犯人に仕立て上げようと偽の遺書を作成し、睡眠薬を飲ませ、練炭自殺に見せかけ殺害した」と断定しました。