探究的学習で発見、県内初確認 揥水小1年がケナガコシビロダンゴムシ
地元神社や林で採取、教室で成果発表 自然や環境理解
三重県松阪市豊原町の市立揥水小学校(尾﨑佳広校長、187人)の1年生30人が、地元の神社や林で、甲殻類「ケナガコシビロダンゴムシ」を見つけた。これまで和歌山県の一部でしか見つかっていないとされ、専門家は県内での確認は初めてとみている。児童たちは29日の授業で調査の成果を発表するなどし、ダンゴムシを通して自然や環境について理解を深めている。
生活科で学び在来種探し 専門家が調べ5匹が該当
同校は市の「未来を切り拓(ひら)く力」育成モデル校区事業の指定校として3期目で探究的学習を実施。1年生は生活科の授業でダンゴムシを取り上げ、それぞれが調べたことを全員で共有し意見を出し合うなどして学びを深めている。 ダンゴムシを探す中で児童たちは、市街地で見掛けるのは外来種の「オカダンゴムシ」と知り、「在来種は絶滅したのか?」と疑問を持った。そこで昆虫などに詳しい静岡県の竜洋昆虫自然観察公園の専門家に質問。コシビロダンゴムシという在来種が「山や、小さな自然の中」にいると教えてもらい、地域の神社や林を探した。 児童らはコシビロと思われる20匹を採集し、専門家がいる鳥取大学に送り詳しく調べてもらった。結果、調査対象の雄6匹のうち5匹が、和歌山県田辺市の神島でしか見つかっていないとされ、情報が少ないケナガコシビロダンゴムシだった。このダンゴムシはコシビロダンゴムシ科の一種。体長8ミリまでで、背面は黒っぽいが、不規則な淡色部がある。 この日、児童らは「外来のオカダンゴと在来のコシビロは同じ籠で住めるか」をテーマに議論。一緒に住めないという児童は理由に「オカダンゴは町でも住めるがコシビロは山にいて環境が違う」「コシビロは小さくてオカダンゴは大きいからコシビロが怖がる」。一緒に住めるという児童からは「山にもオカダンゴは住んでいるし、コシビロも住んでいる」と意見。「一緒に住むことはできるかもしれないが、住みたいかどうかは分からない」とまとめた。
津曲亮太郎君はコシビロ14匹見つける
コシビロを14匹見つけた津曲亮太郎君は「湿ったところとか暗いところ、涼しいところを探した」、金城希花さんは「ダンゴムシはかわいい。コシビロを見つけていないから見つけたい」と話した。