阪神・才木 日本球界のエースになる 飛躍の一年に満足せずV奪還&侍の主力へ 「猛虎感動大賞奨励賞」受賞
阪神の才木浩人投手(26)が4日、デイリースポーツ制定「2024年猛虎感動大賞奨励賞」を受賞。兵庫県神戸市内にあるデイリースポーツ本社で藤谷稔社長から賞金と記念盾が贈られた。自身初の2桁勝利を挙げ、プレミア12では日本代表にも選出。飛躍の一年となったが、来季は開幕投手から日本球界のエースになると誓った。 【写真】神戸の象徴をバックに美女に囲まれポーズを決めた才木 青い空、白い雲、赤いポートタワーにグレーのスーツの才木が映えた。神戸本社の屋上で地元・神戸を背負うように記念撮影。「今年も終わりっすね~」。もう師走。激動の一年を感慨深げに振り返りながら、視線の先には25年3月28日のマウンドがあった。 来季の開幕戦は敵地・マツダスタジアムでの広島戦。「やっぱり投げたいですね。一番、プレッシャーがかかるところだと思う。そういう試合を経験してみたい」。藤川新監督も候補の一人には挙げている。CSや日本シリーズ、国際舞台を経験も、まだ知らない場所だからこそ熱望した。 ただ、開幕のマウンドは通過点に過ぎない。夢は大きく、日本球界のエース。「阪神のエースだけじゃなくて、日本球界のエースと言われるぐらいの存在になりたい」。プレミア12では先発の一角として準優勝に貢献。26年にはWBC、28年にはロサンゼルス五輪があり、そこでも主力投手の一人とならなくてはいけない。 今季は25試合に登板して13勝3敗、防御率1・83。167回2/3で自身初の規定投球回数にも到達した。「規定イニングを投げられたのは一番良かった。けど、圧倒的な数字を残せていない」。ほとんどがキャリアハイではあるが、満足はできない。そこには球界のエースという高い目標があるからだ。 数字は良かったが、感覚としては物足りないことも多かった。体の操作性や出力を出すための筋力など、フィジカル面の課題を再確認。「伸びしろしかないですね」と今季の活躍は序章に過ぎない。球速を見ても、昨年の中央値は149キロ。今年は148キロ台だった。「150キロに簡単に乗せられるようにはしたい」と直球の精度向上をテーマに掲げた。 エースとは。「相手に絶望感を与え、味方には安心感を与える」と才木の辞書には書いてある。称号を得るための数字や答えはない。「評価は周りがするんで難しいですけどね。自分の目指すところを見て、現状把握をしていけば勝手に周りが評価してくれると思うので」。王座奪還に欠かせない存在。開幕戦の舞台から虎のエース、そして日本のエースへ。故郷の神戸へ、来年はもっと大きくなって帰ってくる。 ◆猛虎感動大賞 デイリースポーツが制定する、阪神で最もファンに感動を与えた選手に贈る賞。ペナントレース期間中、シーズンの記録、プレーのインパクト、グラウンド外での活動などを考慮し、本紙選考委員会が選出。チーム成績も加味した上で大賞、奨励賞などを決め、受賞者には金一封を贈る。 ◆才木 浩人(さいき・ひろと)1998年11月7日生まれ、26歳。兵庫県出身。189センチ、88キロ。右投げ右打ち。投手。須磨翔風から16年度ドラフト3位で阪神入団。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け同年12月に育成契約。22年5月に支配下再登録。24年は自身初となる2桁勝利(13勝3敗、防御率1.83)をマークして復活。同年のプレミア12では日本代表に選出された。