世界一の剛腕女王・竹中絢音が語るアームレスリングの魅力。「目で喧嘩を売っていると思います、常に(笑)」
緊張と向き合うルーティンは?
――試合の映像などを見ていると、緊張とは無縁で、常に飄々(ひょうひょう)と試合に挑んでいるイメージがあるのですが、実際はどうですか? 竹中:実は、試合前はものすごく緊張しているんですよ(苦笑)。相手が強くなれば強くなるほど自分の自信のなさが出てきてしまって、「どうしよう」と不安になるんです。それは競技を始めた頃から変わらないので、試合の前に舞台袖などで、自分なりに対策するようにしています。 ――緊張をほぐすためのルーティーンや対策は、どんなことをしているんですか? 竹中:すごく単純なんですけど、まず大声を出すんですよ。「あーーー!!!」と叫んで、緊張を吹き飛ばすようにしています。あとは、緊張で少し足が震えちゃうことがあるので、そういう時は地団駄を踏むように、地面をバンバン踏んだりもします。 ――それは意外でした。試合中は目力の強さも印象的ですが、相手との心理的な駆け引きはしていますか? 竹中:どうなんでしょうね、あまり意識したことはないのですが。でも、結構、目で喧嘩を売っていると思います、常に(笑)。
スポーツトレーナーとタイ古式マッサージ師の資格も
――平日はアームレスリング専門ジムなどでパーソナルトレーニング指導や練習会などをされていますが、スポーツトレーナーの道に進んだきっかけは何だったのですか? 竹中:自分のトレーニングをする中で、体のことを知っておいたほうが競技にも生きると思って、高校卒業後に独学で勉強を始めたんです。結果的に、トレーナーの仕事をすることで生活と競技のどちらにも生かせると思ったので、テキストを買って勉強して、資格を取りました。あと、タイ古式マッサージのセラピストもやっていて、そちらは授業を受けに行って資格を取得しました。 ――タイ古式マッサージもできるんですね! セラピストになろうと思われたきっかけや、学んだことで生きていることを教えてください。 竹中:もともと解剖学に興味があって、パーソナルトレーナーの勉強をしていた時に、解剖学に詳しい先生がタイ古式マッサージの講師をやっていたので、筋肉とか骨、リンパとか神経系などの仕組みをもっと詳しく教えてもらいたいと思って勉強しました。体に対する理解を深めたことで、トレーナーの仕事や、競技にも生きていると思います。 ――そういう知識は、ご自身のケアにも生きますか? 竹中:そうですね。長期戦が続くと腕の疲労につながるので、練習や試合の後は自分で揉んだり、マッサージガンを使ったり、ストレッチなどをしっかりするようにしています。