北方四島交流「元島民の思い受け止め、毅然とした交渉を」 北海道の鈴木直道知事に聞く
――次世代半導体を製造する「ラピダス」の工場建設も順調に進んでいる
「かつて日本は半導体分野で世界の中心的役割を担ってきたが、状況は変わった。経済安全保障上も重要なキーテクノロジーである次世代半導体を国内で調達するこのプロジェクトは極めて重要で、不安定な世界情勢の中、その必要性はより増している。北海道で進む国家プロジェクトをしっかり成功させなければいけない。国とも連携して役割を果たしていきたい」
「誘致から1年10カ月がたち、来年春のパイロットライン(試作ライン)稼働まであと数カ月。パイロットラインといえども〝メード・イン・北海道〟の2ナノメートル(ナノは10億分の1)半導体が製造されることになる。まずはここを成功させる。2027年から量産するということだが、大事なのは欧米と連携した取り組みが北海道で行われるということ。製造のみならず研究と人材育成の複合拠点を北海道に立地することが重要。次世代半導体は他県でもいろいろな取り組みが進む。国内ネットワークを組み、国への要望などをしっかりやっていきたい」
「世界で人材獲得競争が進む半導体産業は裾野が広いのでさまざまな人材が求められる。トップ研究者のネットワーク『最先端半導体技術センター』に参加している北海道大をはじめ、国内最多の工業高等専門学校を有するなど、北海道は人材育成の可能性が高い。今後は海外からもどんどん技術者が来て千歳市でずっと開発することになる。学生にとっては欧米に行かずとも千歳で技術者に会えることになるわけで、そこを生かすべきだと考えている」(聞き手 坂本隆浩)