「先生はボクをトイレに押し込めて」…都内の公立中学で性加害事件を起こした教師が言い放った「衝撃の一言」
2022年5月、東京・練馬区の中学校で、男性教諭による男子生徒への性加害事件が起きた。男性教諭は強制わいせつの疑いで逮捕されたが、保釈後に自殺。被害者であるはずの男子生徒はクラスメイトらから誹謗中傷を受けた。 【マンガ】「一緒にお風呂入ろ」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性の罪悪感 事件から2年が経とうとしていた今年2月、「学校の対応は不適切だった」とし、男子生徒と保護者は練馬区に対して裁判を起こした。
スキンシップの多い先生だった
「同じような思いを持つ生徒をなくしたい」 そう話すのはマサトさん(仮名・16歳)。現在は関東地方にある学校に通っている。 今年2月、マサトさんは両親と共に練馬区を訴えた――。マサトさんが中学生の頃、担任教師から受けた性暴力被害が発端だった。 事件は2022年5月に起きた。 加害者の男性教諭A(当時37歳)は事件前年、マサトさんが中学2年生のときに転任してきた。 「A先生のスキンシップは多かったし、距離が近いなとは思っていましたが、嫌いではありませんでした。それにほかの生徒からも嫌われている先生でもありませんでした」(マサトさん、以下「」内も) なにかにつけて生徒に触るAだったが、生徒が拒否すれば、それ以上の接触はしなかった。そのため、生徒の認識としては「スキンシップの多い先生」程度だったとマサトさんは振り返る。 「ただ……A先生から、Instagramのメッセージで『うちにおいでよ』と言われたこともありました」 その誘いにどんな意図があったのか、今では定かではない。だが、当時中学2年生のマサトさんもその誘いをあまり深くは考えていなかったという。 そしてマサトさんが中学3年生に進級した2022年、Aが担任になった。
次やったら個人レッスンだからね
事件は、Aが担任になって1ヵ月が経った同年5月13日に起きた。 その日、授業後の掃除でマサトさんの清掃班はトイレを担当していた。 「トイレ内でふざけて遊んでいたんです。そしたら怒った同級生がA先生を呼びに行って、トイレにきた先生は『今度やったら、掃除はやり直しだからな』と言ったんです」 怒られたこともあり、すみやかに掃除を終えると、班長だったマサトさんがAを職員室に呼びに行った。 だが、トイレまで戻って来るとAは豹変した。マサトさんの身体を正面から押し、ニヤニヤしながら「次(編集部注・掃除をふざけて)やったら、個人レッスンだからね」と言ってきたという。 言葉の意味も、何が起きていているのかもわからなかったマサトさん。するとAは一番奥の個室にマサトさんを押し込こんだ。 扉の前にはAが立ちはだかり、逃げられない。 マサトさんはあっという間に個室のすみに押し込まれ、Aが後ろから覆いかぶさるように身体を密着させてきた。そして腹部に手をまわし、股間を触ってきたのだ。 あまりのショックと恐怖で声が出なかった。 その当時のことを語るマサトさんの唇は震えていた。 「抵抗できない状況で……されたこと自体がきつかった。扉は開いていましたが……個室の中だったし、他の生徒たちからは見えない。僕が先生に何をされていたのかはみんな気づいていなかった」 Aは、トイレが死角になることを知って犯行におよんだのだろう。