【MLB】 ナショナルズとオリオールズ、放送局が権利料を巡って争い ナショナルズの放映権料は2割削減
今週、ナショナルズはナショナルズはニューヨーク州最高裁判所に請願書を提出し、MLBの収益分配定義委員会の決定を裁判所が確認するよう求めた。ワシントン・ナショナルズの放映権は、隣接区域に位置するボルティモア・オリオールズと同じMASN(ミッド・アトランティック・スポーツ・ネットワーク)が所有している。MASNの企業支配権はオリオールズが握っており、ナショナルズはシーズンごとの放映権料として受け取れる金額を巡ってオリオールズと頻繁に争っていた。米移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」がこの件を報じている。 【特集】2024年オフシーズンの移籍情報まとめ
収益分配定義委員会はオリオールズとMASNが、ナショナルズの2022-26シーズン分の試合を放映するため、3億2050万ドルのテレビ放映権料の支払い義務があると決定していた。これは2022-24シーズンの未払い分約2億390万ドル、さらに向こう2シーズン分それぞれ5830万ドルの合算だ。 「ワシントン・ポスト」のロナルド・ブルームによれば、2024-26シーズン分の放映権料は20%削減されているという。2022-23シーズン分は年間約7280万ドルに放映権料が設定されていたが、2024シーズン以降分はその80%にあたる年間約5830万ドルに抑えられた。委員会は「破産リスクを最小限に抑えるため、MASNは2024年から2026年までの権利料の引き下げを求め、ナショナルズもそれに同意することは予想できた」と、契約者減少による減収が予想され、契約者一人当たりの料金を値上げできないことが今回の決定の理由だとした。MLBでは昨季、10球団以上の放映権を所有していたダイヤモンド・スポーツが破産。ナショナルズの放映権料がカットされたのも、昨今のMLBにおける放映権ビジネスモデルが崩壊しつつあることの煽りを受けている。 この詳細な金額を報じた「ボルティモア・サン」のマット・ウェイリッチ記者によれば、ナショナルズの請願が迅速に解決されれば、2012年以来初めて、両球団は今後数年間有効な契約に合意することになる。ただ、この放映権契約が切れる2027年以降も、両球団が法定争いから離れられるかどうかは分からないという。昨年からオリオールズの新たなオーナーとなったデイビッド・ルーベンスタインは以前、この闘争について「弁護士の手を煩わせることなく」進めたいと語っていたが、合意までは至っていない。 ナショナルズは今オフ、戦力補強に向けて精力的に動いている。しかし、アレックス・ブレグマンのような噂されていた大物獲得に向けての動きは見せていない。この3億2050万ドルの支払い義務が履行されれば、ナショナルズは再建脱出に向けて戦力強化を加速させられるかもしれない。