食事の誘いを断るコンサルタントには、なぜ気を付けた方がいいのか?
朝・昼のアメリカ型がいいのか、夜の日本型がいいのかは一概に言えない。それは文化の違いそのものだから。 いずれにしてもオフィスを離れて、食事をしながらリラックスしてコミュニケーションを取るということはとても大切なことだ。 だからコンサルタントを雇ったら、ランチでもディナーでも、あるいは軽く居酒屋で一杯でもいいから誘ってみることだ。 なんだかんだ理由をつけて、誘いを断るコンサルタントはコンサルティングの本質を理解していないかもしれない。前述した「知識」を当てはめれば答えを導くことができると考えている、まがい物のコンサルの可能性が高い。 どんな食べ方をするかとか、店での立ち振る舞いや店員に対する態度から、その人柄や素の姿を知ることができる。 お酒を飲んでも乱れることなく、相手を気遣いながら、楽しく会話することができるコンサルタントなら、まずは合格だろう。社会性という点において、先ほどお話ししたような「変人」ではないことは確かだ。肩の力を抜いて一緒に食事をして、いろいろ会話をすることで、見えてくるものがあるはずだ。 ■ コンサルの実力を見抜くポイント(4) フットワークが軽く、現場にもよく足を運ぶ 実力のあるコンサルタントは、例外なくフットワークが軽い。興味や関心があるものがあると、すぐに足を運び、自分の目で確認しないと気が済まないのだ。それだけ好奇心が強いとも言えるかもしれない。 コンサルティングの現場においても、このフットワークの軽さはとても大切だ。 会社の課題解決の答えは、会社の中に転がっている。そして答えを持っているのは、会社の上層部ではなく、現場の社員や周辺の業者の人たちであることが多い。 だから私は、時間があると現場に足を運んで雑談したり、出入り業者の人にも、仕事の邪魔にならない範囲で声をかけて話を聞いたりした。 そういうところから会社の問題点や改善点など、コンサルティングのヒントをもらったものだ。 だからコンサルタントが、いつまでもお客様のように社長室や応接室などに引っ込んでいてはダメなのだ。 コンサルタントがいつもどこにいて、どんな仕事をしているかをチェックしてみるといいだろう。 よく現場に行き、関連会社や出入り業者のところまで遠征に行っているような、フットワークの軽いコンサルタントは信用していい。 コンサルティング会社と社長室を行ったり来たりしているだけのコンサルタントは、まず成果を期待できないと考えていいと思う。
堀 紘一/津田 久資