癌になる確率、"2人に1人"へ。都市暮らし、運動不足、喫煙、飲酒、「あてはまる」人は要注意か
がんの原因は「たまたま」が6割
がんと告知された人が最初に思うのが、「どうして私はがんになったのか?」ということ。「自分の今までの生活習慣に問題があったのではないかと悔いている方も多い。タバコは関連しますが、がんができる最大の理由は、偶発的要因で約6割を占めます。簡単に言えば、“たまたまできた”ものであるということ。こうお話ししても原因探しをしてしまう方が多いのですが、この偶発的なものは、遺伝子の異常(突然変異)で起こります。遺伝子の突然変異は、加齢によって蓄積されていくことがわかっています。 ですから、年齢を重ねるごとにがんのリスクは高まります」。偶発的なもの以外で多いのは「感染」で発生するがんだ。「喫煙」よりも影響が大きい。「子宮頸がんのヒトパピローマウイルス(HPV)やB型やC型の肝炎による肝がん、ヘリコバクター・ピロリによる胃がんなどがあります。日本ではHPVワクチン接種が進んでいないこともあり、子宮頸がんは増加傾向にあります」
ネットやYouTubeなど、間違った情報が多いことを理解して
「がんで最も怖いのは、間違った危険な治療と出合ってしまうことです」と勝俣医師。ネット上には「絶対治る」「がんが消えた」「消滅した」と、がんに恐怖や不安を抱えている人にとっては救いになる言葉が並ぶサイトがある。 「そういった言葉を見ると、いい治療と信じてしまう。がん治療は進歩してきていますが、これをすれば確実に治るという誰にでも効く特効薬的なものはまだ存在していません。甘い言葉で言い切る治療は、がん患者さんの弱みにつけ込んだ『がん治療ビジネス』です。2016年に日本医科大学でがん関連の247サイトの信頼性を調査したのですが、ガイドラインに基づいた信頼できるサイト(レベルA)は約10%だけで、なんと危険・有害なサイト(レベルC)は39%もありました。もしも、危険・有害なサイトと出合ってしまえば、治療が遅れ、命に関わることもあります。こういった罠に騙されないためにも、がんを知ることは必要なのです」