”1100万人の食事を見た管理栄養士”が明かす…生活習慣病を招く「見落としがちな食習慣」
魚に多く含まれる「不飽和脂肪酸」に注目
オメガ3は、マグロや鮭、サバなどの青魚やアマニ油、エゴマ油などに含まれる油で、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれます。認知症の予防をはじめ、生活習慣病や血栓の予防も期待できます。熱に弱く酸化しやすい性質があるため、干物のような酸化した食品や加熱調理には注意が必要。刺身や真空状態が保たれたサバ缶、ツナ缶は、調理なしで酸化していない油が摂れるので便利。 オメガ6は、大豆油やコーン油などのサラダ油に多く、悪玉コレステロールを減らして血流を改善します。オメガ6は摂りすぎると、悪玉だけでなく善玉コレステロールも減ってしまうので、摂りすぎには注意が必要です。またオメガ9は、オリーブオイルなどに豊富で、善玉コレステロールを減らさずに悪玉だけを減らすため、血中コレステロールを適正に保つ働きが。 じつは、オメガ3とオメガ6は体内で作ることのできない必須脂肪酸。ゆえに食べ物から摂る必要がありますが、現代の食生活では、オメガ6を摂りすぎる傾向があります。炒め油などはオメガ9のオリーブオイルに替えるなどの工夫を。逆にオメガ3は不足しがちなので、意識して摂ることが大切。オメガ3とオメガ6は、1対4の割合で摂るのが理想的です。 つまり、「不飽和脂肪酸」のなかでも、不足しがちなオメガ3を多く含む魚や植物性の食品を、積極的に摂ってほしいのです。
不飽和脂肪酸にたんぱく質を加えた「最強スープ」
身体に良い働きをしてくれる「不飽和脂肪酸」は、青魚の刺身などから新鮮な状態で摂るのがベストですが、毎日、刺身をいただくわけにもいきません。また、焼き魚にしたとしても、匂いが気になるという人も多く、「毎日、魚を食べる」ことに大きなハードルを感じる人も少なくないでしょう。 そこで、おすすめしたいのが、毎日のスープ習慣です。累計会員数が1100万人を突破した、無料のAI食事管理アプリ『あすけん』の栄養士チームが、栄養の観点と“1100万人の食事記録”から、健康サポートの最適解として導き出した食事のひとつが、野菜スープです。 毎日の食事に野菜スープを取り入れることで、1日の摂取カロリーをコントロールしやすくなる、ビタミンやミネラル、食物繊維が自然とバランスよく摂れる、体の調子が整いやすくなるなど、嬉しいことばかり。そんな野菜スープに魚を加えることで、調理も簡単に「不飽和脂肪酸」を漏らさず摂ることができる“最強スープ”が完成、というわけです。 ここでは、オメガ3系の不飽和脂肪酸を豊富に含むタラに、たんぱく質もしっかりプラスできる、おすすめのスープレシピをご紹介しましょう。 【タラとにらの卵とじスープ】 〈材料(1食分)〉 塩タラ切り身(甘塩)…1切れ(70g) 白菜…大きめ1枚(100g) にら…1/5束(20g) 水…200cc A 酒…小さじ1 ショウガ(チューブ)…2cm めんつゆ(3倍濃縮)…大さじ1 しょうゆ…少々 溶き卵…1/2個分 〈作り方〉 1 タラは3等分に切る。白菜はざく切りにする。にらは3cm幅に切る。 2 鍋に水と白菜を入れ、蓋をして中火にかける。 3 白菜がやわらかくなったら、A を入れ、タラをのせて、タラに火が通るまで蓋をして煮る。にら、溶き卵を流し入れ、かき玉にする。 「魚を焼く」と思うとグリルの掃除が面倒が手が出ない人も多いと思いますが、スープにしてしまえば洗い物も少なく、汁に溶け込んだ栄養も逃さず摂ることができます。まさに、汁もの上手は、健康上手――。“1100万人の食事記録”から導き出した「一杯」のレシピで、今年の冬を乗り切りましょう。
あすけん、道江 美貴子