梅雨末期 寝ている時間帯に多い豪雨 「キキクル」活用や避難方法の確認を
くまもとLive touch 6月27日放送「逃げるスイッチ、オン」
梅雨末期に豪雨となる可能性が高い傾向にあります。熊本市では、過去23年のうち、6月後半以降に1日に100ミリ以上の降雨量や、1時間に30ミリ以上の激しい雨がほぼ毎年観測されています。
熊本地方気象台リスクコミュニケーション推進官の宮田浩さんは「九州・熊本では、1年間に降る雨の約4割が、梅雨の期間に集中して降ります。また、寝ている間に雨が強まるといった傾向があります。最近では2020年の7月豪雨。夜中から雨が強まり、災害が発生したのは、朝5時~6時」と説明します。 豪雨すべてではないとしながらも、2012年7月の九州北部豪雨など、夜間に発生している事例は多いそうです。 熊本県内のアメダス観測所で、過去48年間に「道路が川のようになる」と表現される1時間に50㎜以上の非常に激しい雨が観測された時間帯で、特に多いのが深夜0時から朝8時。つまり、寝ている時間帯に大雨が降る可能性が高いということです。 寝ている時間帯に豪雨が多い理由とは? さまざまな説ありますが、夜になると、太陽の熱が届かないことによって、雲の上の空気が宇宙へと逃げていきます。それにより、雲の上が冷たい状態に。すると、その冷たい空気が下に、暖かい空気が上に動く現象が起こり、雨雲が発達します。 宮田さん 「夜中に激しい雨音とか雷の音で目を覚ましたっていう経験がある方は多いかと思います。災害の危険度が高まっているときに休んでいるので気づかない、いざ気づいたときには、逃げ遅れてしまう。周りは真っ暗、助けを求めてもなかなか助けに来てくれない」 寝た後の暗い時間帯に起こる可能性が高い豪雨。ただし、就寝中に定期的に最新情報を確認するのは、現実的ではありません
就寝中に大雨… 情報入手するには
熊本地方気象台地域防災係 渡部俊輝さん 「検索からキキクルと入れていただきますと、一番上に、気象庁、キキクル、危険度分布というものが出てきます」 気象庁のホームページ上で掲載しているキキクルは、土砂や洪水による災害などの危険度を表す分布図です。災害への心構えをする段階から、命の危険 直ちに安全確保をする段階まで、5つの警戒レベルにわけて、その時の状況を表示してくれます。 浸水は1時間先、土砂は2時間先、洪水は3時間先の予測値をもとに、危険度が示されています。更新は10分おきで、危険度のレベルが上がった際に、通知する設定もでき、地域をあらかじめ選択すれば、寝ている間でも、危険な状況になる前に知らせてくれます。 また、熊本県危機管理防災課の川野清志主幹は「大雨や夜間は、避難そのものが危険な場合がある。雨が降り出す前に、明るい時間帯での避難、予防的避難が大切になる」と語ります。 道路が冠水しているときなどは、車での避難が危険な場合があるとして、避難経路も事前に確認してほしいとしています。