読売新聞社員の男、連れ子略取 起訴内容認める、神戸地裁
兵庫県内の児童相談所に一時保護されていた妻の連れ子を連れ去ったとして、未成年者略取の疑いで読売新聞社員の男が逮捕され、同罪などで起訴されていたことが29日、関係者への取材で分かった。神戸地裁(松田道別裁判官)で29日、同じく起訴された妻と合わせて初公判が開かれ、2人とも起訴内容を認めた。 公判で読み上げられた起訴状などによると2人は共謀し3月16日午前、児相が一時保護中の子どもが幼稚園の卒園式に参加する機会を狙いタクシーに乗せ、児相職員の制止を振り切り連れ去ったとしている。兵庫県警が逮捕し、神戸地検が略取や傷害などの罪で起訴。地裁は被害者保護を理由に匿名で審理している。 検察側の冒頭陳述によると男は妻と前夫の子の3人で生活。近隣住民から「子どもの泣き声や大人の怒鳴り声がする」と児相に通告があったことなどから、昨年12月に児相が一時保護した。検察側は夫婦が弁護士とともに卒園式で奪還する計画を立て、犯行に及んだと指摘。引き留めようとした職員に暴行し、左手の打撲などのけがを負わせたとした。