利下げに動くFRB、「ボルカーの失敗」が示唆する"狭き道"
8月アメリカ・ワイオミング州で開かれたジャクソンホール会議でパウエルFRB議長は「政策を調整すべき時が来た」と宣言した。写真左がパウエル議長(写真:ブルームバーグ)
足元のマーケットで起きている事象や注目テーマについて、過去の歴史をもとに株式投資のヒントを探る連載「 賢者は歴史に学ぶ 」の第32回。FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長は8月のジャクソンホール会議での講演で9月利下げを強く示唆した。インフレ抑制に自信を深めたFRBは、4年半ぶりの利下げによって経済の軟着陸を目指す。だが、インフレ抑制と景気持続の両立が容易でないことは過去の歴史が示している。何しろ、あの“伝説の議長”ポール・ボルカー氏(故人、1979~1987年FRB議長)でさえ一時は失敗していたのだ。はたして、パウエル議長は軟着陸を成功させることができるか。
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岡田 晃