漫画家・猿渡哲也の「烈侠伝」 第5回ゲスト・かたせ梨乃「もし、『極妻』新作を演るとしたら今まで経験してない役を」
■感性を保つには若い人と遊ばなきゃ 猿渡 かたせさんは途切れることなく、ずっと第一線で活躍されていますよね。最初に見たのは、確か革のつなぎっぽいコスチュームで登場されたCMでした。 かたせ ヤマハの『V1ライン』(77年)というオーディオシステムのCMですね。 猿渡 日本人離れした、見事な体形ですよね。僕らは同世代ですが、身長168㎝の女性というのがまず少ない。 かたせ 今の女性たちは170㎝以上なんて普通ですけどね。70年代当時のCMモデルは、アグネス・ラムさんとかハーフのコが全盛で、私みたいな日本人は少なかったんですよ。 猿渡 CMモデルから女優へ進み、数多くの名作に出演、賞もたくさん獲得。そうなると、新しいところにいく考えはあまり浮かばないと思うんですよ。けど、最近でも『孤狼の血 LEVEL2』(21年・東映)に出られたりして、フットワークが軽いなぁって。 かたせ 私たちが子供の頃、初めて出会って感動したものがあったように、今の人たちも彼らなりの感動があるわけですよ。だから100%理解できないにしても、そういう感性もあると知るには、やっぱり若い人たちと遊ばないとダメよね、あはは(笑)。 猿渡 年を重ねてくると、変わることや新しいことをするのがすごく怖いんです。僕は保守的なのかなぁ(笑)。 かたせ 〝石橋を叩いて渡る〟ということわざがありますよね。私は〝石橋を渡ってから叩く〟タイプ。まずは渡ってみる。結果オーライならば、それでいいじゃないですか! ●かたせ梨乃 1957年生まれ、東京都出身。大学時代よりCMモデルとして活動。79年、『大江戸捜査網』で女優デビュー以降、映画『極道の妻たち』シリーズや『肉体の門』『孤狼の血 LEVEL2』、テレビドラマ『名探偵キャサリン』シリーズなど、長きにわたり活躍。また2025年NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』出演も決定。 ●猿渡哲也(さるわたり・てつや) 昭和33年(1958年)生まれ、福岡県出身。『海の戦士』(週刊少年ジャンプ)でデビュー。格闘漫画『高校鉄拳伝タフ』『TOUGH』『TOUGH 龍を継ぐ男』のシリーズは累計1000万部超を記録している。 撮影/橋本雅司 構成・文/高橋史門 ヘアメイク/山岸直樹(Rouxda.)<かたせ> 写真/産経新聞社