「部分的に紫のオクラ」「黒ずんだオクラ」こんなオクラは食べても大丈夫?管理栄養士が回答
夏には、暑さや冷たい物のとりすぎで胃腸の機能が低下しがちですが、そんなときにおすすめの旬野菜がオクラです。オクラはたくさんの栄養的な機能をもっている一方で、傷みやすい野菜でもあり、こんなオクラ食べられるの?という心配も。オクラのパワーを安心して摂取するために、「こんなオクラ食べられるの?」の疑問にお答えします。 〈関連画像〉葉っぱが生えたにんじんは食べられる?管理栄養士が回答 ■オクラが夏の腸活にぴったりな理由 オクラは鮮やかな緑色をしている緑黄色野菜。β-カロテン、ビタミンB1・B2・葉酸・C、カルシウム、カリウム、マグネシウムなどを豊富に含み、夏バテ予防にも効果が期待できます。 オクラを刻んだ時に特にみられる特有の粘り気は、「ペクチン」などの水溶性食物繊維。血糖値や血圧の上昇抑制、胃腸粘膜の保護、たんぱく質消化の促進に働くといわれています。オクラには、水溶性食物繊維だけでなく、不溶性食物繊維も多く含まれているため、夏の腸活にもおすすめです。 ■こんなオクラ食べられる?? オクラは傷みやすい野菜であるうえ、変色やねばりなどが気になることも。安心して食べられるオクラかどうかの疑問も多くみられます。 ◆黒ずみがある オクラは傷がついたところから黒く変色していき、鮮度が落ちるにつれて黒ずんでいきます。表面の一部が黒く変色しているだけの場合、その部分を取り除けば食べることができます。中まで黒く変色している場合は傷みが進んでいるため、食べない方がよいでしょう。 ◆部分的に紫色をしている オクラが部分的に紫色をしている場合、オクラに含まれている色素の「アントシアニン」が出現したことが理由だといわれています。たいていはゆでると緑色になり、食べても問題ありません。 ◆種が茶色くなっている 鮮度が落ちて腐敗が進むとたねが茶色くなることがあります。また、大きく育っているものも種が変色している場合があります。さやの部分に腐敗がみられなければ、種を除けば食べられることが多いです。 ◆種以外に茶色い粒が中に入っている 種の発育異常で起こることがあるようです。食べても問題ありません。 ◆大きいまたは小さい オクラは大きくなると繊維が立って固くなり、苦味も出てくるため、4~8㎝のものがやわらかくおいしいとされています。 大きすぎるオクラは種をとり、やわらかく煮て刻むと食べやすくなります。 逆に家庭菜園でとれた小さすぎるオクラは成長不全のものもあります。 オクラはアフリカ原産の野菜で、冷やしすぎる環境が苦手。冷蔵庫では4~5日しかもちません。一度に食べきれない場合は、塩をして板ずりし、ヘタとガクを切り取ってからさっと洗い、水気をふきとってからラップでくるんで保存袋に入れて冷凍保存しましょう。 参照: ・「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ・「日本の食材図鑑」 新星出版社 ・「やさい(幻冬舎)」 ・「野菜の栄養素まるごと便利帳」 X-Knowledge ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)