豪中銀、根強い物価圧力抑制で金利据え置きへ-18日に政策決定会合
(ブルームバーグ): オーストラリア準備銀行(中央銀行)は18日の政策決定会合で、極めてタイトな雇用市場に支えられた根強い物価圧力を抑制するため、政策金利を12年ぶり高水準に据え置く可能性が高い。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、豪中銀は5会合連続で政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置く見通し。決定はシドニー時間午後2時半(日本時間同1時半)に発表され、その1時間後にブロック総裁の記者会見が行われる。
今回の政策決定会合は先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を受けて開かれる。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は基調的なインフレ指標が2カ月連続で低下しても、金融緩和を急がない意向を示した。ブロック総裁は根強い物価圧力への対応でややタカ派寄りのバイアスを維持し、米金融当局と同様の対応を取る可能性が高い。
ブロック総裁はインフレ率が持続的に2-3%の目標レンジに戻りつつあるという確信を持つ必要があるとして今年の政策オプションを最大限に維持しており、その結果、政策委員会はいかなる可能性も排除しておらず、決定もしていない。豪中銀はインフレ率が目標レンジに戻るのは来年後半と予測している。
MFSインベストメントの債券アナリスト、カール・アン氏は「豪中銀は何の問題もなく、ややタカ派寄りのスタンスを維持するとわれわれは予想している」とし、「この先、2025年初め以降の利下げで成長支援とインフレ抑制が均衡し、景気後退入りリスクの緩和に寄与するだろう」と分析した。
この見解は大方のエコノミストの予想ならびに金利先物動向と一致している。
前回の政策決定会合以降の経済データは豪経済の著しい減速を示したほか、さえない小売売上高データで消費者のセンチメントの悪化が明らかになった。 背景には根強いインフレと高金利がある。
ただ一方で失業率は4%と、労働市場は依然タイトであり、このため政策当局者は経済のソフトランディング(軟着陸)を実現できると楽観している。