【池上解説】1DKに4人で生活!?格差ひらくロサンゼルス最新事情
■オリンピックを見据えて街をきれいに!?
格差の進んだカリフォルニア州にはアメリカのホームレスの約3割がいると言われていて、私も街でたくさんのホームレスを目にしました。結果治安も悪化していることから、ロサンゼルス市は対策に乗り出しました。4年後にはオリンピック開催を控えています。世界の人にホームレスがあふれた街を見せるわけにはいきませんからね。今行っている対策はなんと、税金を使ったホームレス専用の住居の建設です。ジムも付いた大変立派な部屋です。こんな暮らしができるならホームレスになったほうがいい、そんな皮肉も市民からは出てきています。そしてもう一つ、カリフォルニアが抱える問題が不法移民です。ロスはサンクチュアリシティと言われ、不法移民にとても優しい町です。ここに来ればいい生活ができる、多くの不法移民が押し寄せています。でも意外なことにロスの人は不法移民に対しても寛容な人が多いんです。
■トランプ新大統領でどうなる?
アメリカは移民を労働力として使うことで発展してきた国でもあります。でも次の大統領に決まったのは不法移民に厳しいトランプさんです。選挙中「不法移民は全員追い出す」と言っていますが、これからどんな対策をとるのか注目です。 そのトランプ大統領誕生で日本にはどんな影響があるのか、こちらも気になりますよね。トランプさんは予測不能な人ではありますが、選挙戦での発言から見ていきましょう。 トランプさんは法人税を減税すると言っています。そうなるとアメリカの企業は儲けが増えますから当然株価が上がります。アメリカの株が上がると日本の株も短期的には上がる可能性が高くなります。 一方でトランプさん、世界各国からの輸入品に10~20%の関税をかけると言っています。(中国製品には60%の関税をかけると言っています)日本からアメリカへは車などたくさんの物を輸出していますが、関税をかけられるとその値段は上がってしまいます。そうなるとどうしても売れなくなりますから、輸出産業には打撃になる可能性があります。 トランプさんはビジネスマンでディール(取引)の人です。とりあえず最初吹っ掛けておいて、自分にとって有利な材料を引き出そうとします。例えばアメリカ製の武器をたくさん買ってくれたら関税を引き下げてやろう、そんな取引を持ち掛けてくるかもしれません。そのディールに石破総理がどう対応していくのか、安部さんのようにゴルフという共通の趣味があるわけではありませんから、どうやってトランプさんと取引をしていくのか、注目です。 来年1月、トランプ大統領就任によってロシアやイスラエル、おそらく世界に大きな影響が出てきます。これからしばらくはトランプさんの動きから目が離せません。是非そのあたりに注目してニュースをご覧になってください。 (池上彰のニュースそうだったのか!!11月16日OAより)
テレビ朝日