人間関係の特徴は、親や兄弟姉妹が影響している!?上司との付き合いは親が、「横のつながり」は兄弟姉妹の関係がベースになりやすい
「兄弟姉妹」の関係性は、成長する過程で大きな影響を与えます。心理カウンセラーとして20年以上活動を続けてきた根本裕幸さんいわく、「兄姉がいるか、弟妹がいるか、また何番目に生まれたかによって、人生観や性格がある程度決まる場合がある」とのこと。今回は、大人になった時「上下関係」のベースの一部になるという、家族との関係性についてご紹介します。 【書影】兄弟姉妹との関係が日常生活にどのように影響を及ぼすのかについて解説した『兄弟姉妹の心理学』 * * * * * * * ◆人は子ども時代の役割を引き継ぐ 突然ですが、質問です。 日常生活の中で、どうしてもうまくいかない人間関係があるとします。 あなたは、その原因がどこにあると思いますか? いつもトラブルになってしまうあの人ですか? それともあなた自身? もちろん、直接の原因はそうかもしれません。 しかし、ある人の人間関係の特徴を読み解く場合、背後に3つの要素があり、それらが色濃く影を落とすことがあるのです。 その3要素とは、「親子関係」「思春期の頃の人間関係」、そして「兄弟姉妹関係」なのです。 親子関係と思春期の頃の人間関係は「上下関係」のベースとなります。 わかりやすく、会社の組織を例に説明してみましょう。 上司との関係は、親との関係を投影しやすいものです。 たとえば「いつも上司(男)と揉もめてしまう」という悩みを持つ男性がカウンセリングにいらっしゃれば、私は間髪入れずに「お父さんとの関係はどうでした?」と質問するでしょう。 また、職場の先輩・後輩との関係は思春期の頃の人間関係が影響することが多く、うまく関係を築けないという人には、「中高生のときの上下関係はどうでしたか?」と問うことになります。
◆「兄弟姉妹」が人間関係に与える影響 では、「兄弟姉妹」の関係はどんな影響を及ぼすのでしょうか。 親子の関係が「上下関係」のベースなら、兄弟姉妹の関係は、いわば「横のつながり」のベースと言えます。 中高生時代の友達を思い出してみてください。 クラス委員を務めたり、学校行事でリーダー役を買って出たりする「頼れる同級生」は第一子(兄・姉)が多かったと思いませんか? また、クラスの人気者でみんなに笑顔を提供していた同級生は、末っ子であることが多かったのではないでしょうか? そして、その後の人生を追いかければ、よくリーダー役を務めていた兄や姉は仕事でも家庭でもリーダー役を担っていることが多いはず。 また、みんなから可愛がられていた末っ子は、職場でも場の空気を和ませる「いじられ役」を続けているのではないでしょうか? もちろん、すべてのケースに当てはまるわけではありませんが、兄姉はしっかり者になってリーダー役に、末っ子の弟妹は人懐っこい所作でみんなに可愛がられるタイプになることが少なくありません。 それはまるで、子ども時代に家庭の中で担っていた役割が学校や社会の中でも引き継がれ、そこにうまく収まるようにしくまれているかのようです。