高橋克典さん(59)父として子育てのモットーは?「全然ないです。必死で親をやってる感じですよ」|STORY
還暦を迎える今、これからも枠を決めることなく、色々な役を演じたい
その舞台『応天の門』の公演中に還暦を迎える高橋さんに、60代の展望を伺いました。 「展望はないですね。これまでも、そういったものは持たずにやって来たので。でも、だからといって、行き当たりばったりなわけではなくて、単に型にはめて考えるのが嫌いなんです。“60代だから、こうありたい”みたいなイメージを持って、そこに自分をはめていくというようなことが、どうも好きじゃなくて。目標を設定したところで、形通りにはいかないし、思い通りにはいかないのが人生じゃないですか。 だから、理想とする俳優像も特にありません。昔は、こんなふうになれたらなと憧れた人や好きな俳優さんもいたんですが、生まれも育ちも違えば、持って生まれたものも違うし、第一それは自分じゃない。自分が経験していく中で、なるようになったことが、自分の行き着くところだと僕は思っています」 その言葉には、ぶれない芯を持ち、素敵に年を重ねてきた人ならではの説得力があります。 「年を重ねると、役柄の幅が広がって、その分、いろんな立場の人の心を知ることができますし、自分の経験値が上がっていくことで、いろんなお芝居の仕方がわかるようになるというのは、やっぱり面白いですね。年とともに出会う作品や役割も変わっていきますし、色々わかることが広がって、自分も少しは成長できているのかなと感じます。それは『僕はもうこれでいく』とか『これ以外はやらない』というふうに、自分で枠を決めずにやってきたからだと思うんです。これからも枠を決めることなく、それぞれの年齢で色々な役を演じられたらいいなと思っています。音楽活動も、できる時にやっていきたいですね」 3年ぶりとなる今回の舞台にも期待は高まります。 「前回出た舞台『醉いどれ天使』も明治座だったんです。いい作品だったと思うんですが、ちょうどコロナで客席が一つ置きにしか座れなかった時期で、限られたお客さんにしか観ていただけなかったのが本当に残念でした。僕はまだ舞台の魅力を語れるほど、舞台経験は多くないんですが、一つ言えるのは『生って面白いですよ』ということ。ぜひ明治座で、平安時代の空気感を味わっていただきたいですね。食事もできるし、お土産も色々買える楽しい劇場なので、忙しい日常をひと時忘れて、ゆっくり遊んで行っていただけたらなと思います」 高橋克典さんprofile 1964年生まれ。神奈川県出身。1993年「抱きしめたい」で歌手デビュー。その後、俳優としての活動も始め、TBS『サラリーマン金太郎』シリーズ、テレビ朝日『特命係長 只野仁』シリーズ、日本テレビ『課長島耕作』シリーズなど、多数のドラマに主演し、ヒット作を生み出す。近年の主な出演作は、NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』、NHK BS『大岡越前7』、テレビ朝日『素晴らしき哉、先生!』、NHK『未来の私にブッかまされる!?』、映画『乱歩の幻影』、舞台『醉いどれ天使』など。BSテレビ東京『ワタシが日本に住む理由』では司会を務める。
高橋克典さん出演の舞台 『応天の門』 Ⓒ灰原薬・新潮社/舞台『応天の門』製作委員会 【公演情報】 舞台『応天の門』 原作/灰原 薬『応天の門』(新潮社「コミックバンチKai」連載) 脚本/桑原裕子 演出/青木 豪 出演/佐藤流司 高橋克典/中村莟玉 高崎かなみ 本田礼生 白石隼也 坂本澪香/青山良彦/八十田勇一 若狭勝也/篠井英介/西岡德馬/花總まり(特別出演) 撮影/沼尾翔平 ヘア・メーク/佐藤健行(HAPP’S.) スタイリスト/小川カズ 取材・構成/岡﨑 香