甲南大のキャンパスでプロでの活躍を誓う広島ドラフト３位・岡本（撮影・坂部計介）

　広島からドラフト３位指名を受けた岡本駿投手（２２）＝甲南大＝が３０日、兵庫県神戸市の同大学で田村スカウト部長、鞘師スカウトから指名あいさつを受けた。最速１４９キロの将来性豊かな右腕は、本格派と軟投派の両面を兼ね備えた投手になると宣言。硬軟自在の投球スタイルを前面に押し出し、将来的にシーズン２桁勝利を挙げられる投手になることを誓った。 　赤い声援を背に受け、腕を振る自分の将来像を思い描いた。指名あいさつを終えた岡本は、やや緊張した面持ちで「シーズンを通して１０勝、１５勝できるような投手になりたい」と大きな目標を口にした。 　「熱い気持ちで投げるところを見てほしい」と話す一方、闘志むき出しの投球スタイルではないと自己分析。「冷静にいくタイプ。やっぱり試合の中で一喜一憂してしまうと、自分の性格的に（そういう）流れができてしまう。そこをなくすようにしています」とマウンドではポーカーフェースを心がけている。 　最速１４９キロの直球を武器に、カットボールとチェンジアップも得意とする。特に緩いチェンジアップの制球力と空振りを奪える点には自信を持っており、「（本格派と軟投派の）どちらも併せ持つタイプになっていこうかなと思う」。甲南大初のプロ野球選手となった若武者は、硬軟自在のマウンドさばきで勝てる投手への成長を誓った。 　担当の鞘師スカウトは「力感のないところから柔らかいフォームでスパンと腕が振れて、キレのいい真っすぐが来る。打者からすると（球速以上に）速さを感じると思う」と期待した。高校までは野手で、本格的な投手転向は大学１年秋から。わずか３年足らずでプロ入りへの門をたたけた理由は「聞く力」にある。 　「いろんな情報や（周囲の）教えを素直に自分に取り入れたのが一番の要因かなと思う。体の使い方、変化球の握り方だったりを教えてもらって実践していったことで、うまくいったかなと」。大学の先輩に助言を仰ぎ、変化球の握りなどはＳＮＳで専門家のアカウントをチェック。あらゆることにアンテナを張り巡らし、自らに還元していく柔軟性も兼ね備えている。 　その姿勢はカープでも継続する方針で「うまい人がたくさんいるので、貪欲に聞いていこうと思います」と積極的に一流の極意を吸収していく。 　ドラフトで指名を受けて以降、大学では他の学生とすれ違うたびにエールを送られ、街で買い物をしている時にも声をかけられるなど反響の大きさを実感した。「周りの方もたくさん応援していただいている。期待に応えられるように」と表情を引き締めた岡本。強さと柔らかさの両面を武器に、広島で羽ばたく。 　【岡本駿（おかもと・しゅん）アラカルト】 　◆生まれ　２００２年６月１２日生まれ、徳島県勝浦町出身。 　◆サイズ　１８６センチ、８０キロ 　◆投打　右投げ左打ち 　◆球歴　小学２年時に勝浦タイガーススポーツ少年団で野球を始め、勝浦中では軟式野球部に所属。城南では遊撃手を務めた。甲南大から本格的に投手を始め、１年からリーグ戦出場。 　◆持ち球　ストレート、カットボール、チェンジアップ、スライダー、ツーシーム。 　◆趣味　ネットフリックス鑑賞、買い物、食べ歩き。 　◆好きな食べ物　ラーメン 　◆アルバイト　大学１、２年時は靴店、３年生の頃は老人ホームの調理スタッフ 　◆得意料理　野菜炒め 　◆座右の銘　初志貫徹、笑顔 　◆好きな芸能人　小栗旬