ヤマハのスポーツツアラー「TRACER9 GT+」が自動変速機構の搭載で大進化! 後方監視用レーダーで「ツーリング時の安心感も格上」です
長距離ツーリングを快適にする機能を盛り込んだ
2025年のバイク市場を占う上で重要なモデルが多数出展されたイタリア・ミラノでの二輪車ショー「EICMA 2024」。会場で注目を集めたモデルのひとつが、ヤマハの「TRACER9 GT+(トレーサー9 GTプラス)」。マイナーチェンジモデルではあるものの、その中身は大きく進化を遂げています。 【画像】「えっ!…」ツーリング性能が格段にアップ! これが進化したヤマハ「TRACER9 GT+」です(25枚)
「TRACER9 GT+」は、ヤマハが得意とする3気筒エンジンを搭載したスポーツツアラー。シリーズには、スタンダードモデルの「TRACER9」、電子制御サスペンションを装備した「TRACER9 GT」、そして、ミリ波レーダーを装備した最上位グレードの「TRACER9 GT+」がラインナップされています。 「2023年モデルから、先行車に追従走行するアダプティブクルーズコントロールを搭載し、長距離ツーリングにおける快適性と安心感を高めていた『TRACER9 GT+』ですが、新型では後方にもレーダーを装備。後方から接近してくる車両を検知してミラー内に表示する機能が追加されています」と話すのは、バイクやクルマ、自転車などの乗り物を中心に取材・執筆をおこなっているライターの増谷茂樹さん。 “BSD(Blind Spot Detection)”と呼ばれる同機能は、ツーリング中の安心感をさらに高めてくれそう。そのほかに、自動変速機構である“Y-AMT”を搭載してきたことも注目ポイントでしょう。 「“Y-AMT”はクラッチもシフトレバーもなく、変速操作が不要なので、長距離ツーリングの疲労を大きく低減してくれます。それでいて、スポーティな走りも可能で、任意のタイミングでの変速もできるので、スポーツツアラーとは非常に好相性だと思います」(増谷さん) そのほか、先行車や対向車を検知するためのカメラを装備し、状況に合わせて点灯や消灯、照射範囲の調整などを自動制御する“マトリクスLEDヘッドライト”も装備。坂道での停止・発進時にブレーキ操作をアシストする“VHC(Vehicle Hold Control)”もヤマハのバイクとして初採用しています。 さらに、キーをオンにした直後の30秒間、減衰力を低下させて車両の取り回しをしやすくする制御を盛り込んだ電子制御サスペンションや、最高速度を任意に設定できる可変スピードリミッター“YVSL(Yamaha Variable Speed Limiter)”、タイヤの空気圧をモニタリングする“TPMS(Tire Pressure Monitoring System)”など、ツーリングを快適にしてくれる機能が多数採用されています。 メーターは7インチのTFTディスプレイで、ガーミンのフルナビゲーションの表示にも対応。スマートフォンとの連携ももちろん可能で、ツーリングでの利便性を高めています。 スポーツツアラーとしての完成度がさらに増した新型「TRACER9 GT+」は、国内では2025年夏以降の発売を予定しているとのこと。長距離ツーリングが好きなライダーにとっては見逃せないモデルといえるでしょう。 ●製品仕様 ・サイズ:全長2175×全幅900×全高1440~1530mm ・ホイールベース:1500mm ・シート高:845~860mm ・車両重量:232kg ・エンジン:水冷並列3気筒DOHC ・総排気量:890cc ・最高出力:119ps/1万rpm ・最大トルク:93Nm/7000rpm
VAGUE編集部