全日本珠算選手権大会、山口県代表の東京大学院生が県勢歴代最高の17位…そろばん種目でも暗算で特訓
努力が実り、22年に再開された同大会では1400点以上を取って初入賞。23年には1435点で46位と県勢の最高記録に並んだ。しかし、解答を見直す時間を確保できず、「1480点を実現するにはスピードが足りない」とさらに奮起。そろばん種目の練習では、実際の制限時間より30秒短い3分間で解答する訓練をするなど対策を重ねた。
「そろばんの日」の今年8月8日、約600人が出場した同大会に臨んだ。開始のかけ声と同時に計算をスタート。計210問すべてに解答し、不正解はわずか2問だった。「1480点以上の人は立ってください」。会場に響く声に合わせ、勢いよく立ち上がった。一緒に立った人たちは小学5年の時から憧れ続けた俊英たち。「『やっと同じ舞台に立てた』と本当に気持ちが良かった」と振り返る。
来春には大学院を修了し、社会人になる。「練習時間をどれくらい確保できるか分からないが、満点を目指して挑戦を続けたい」。すでに次の大きな目標を見据えている。(谷口善祐)
◆プロフィル=東大工学部卒。趣味は野球観戦とカラオケで、応援する阪神の試合は年間10試合ほど球場に足を運び、勉強に疲れた時は人気バンド「back number」の歌を熱唱する。宝物は、宇部市の教室の先生から贈られた愛用のそろばん。ケースに入れて大切に持ち運んでいる。