「子どもは2人ほしい」は、“お金持ち”でないとかなわない夢?! 児童手当の増額や大学無償化は3人目から…子どもが2人いると教育費はいくら?
現在、2歳の子がいるAさんご夫婦から「2人目をほしいけれど、教育費や生活費が不安です。うちの家庭では1人しか無理な気がします」との質問をいただきました。たしかに、児童手当の増額や大学の無償化など少子化対策は拡充されていますが、いずれも“子どもが3人以上”という条件があります。 そこで、子ども2人いる家庭の教育費についてお答えしました。 ▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点
子ども1人あたりの教育費は
まずは、文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」より各年代において、どれだけの教育費がかかっているのかをお伝えします。調査では年間額で発表されていますが、分かりやすいように月額に換算しました。(1)の表の金額は、通学費、制服代や修学旅行代、クラブ活動費等含む学校費用のみの金額です。公立の小学校と中学校は給食費も含まれています。 一方、(2)の金額は、(1)の学校費用と塾や習い事、キャンプなどの体験活動、水族館などの入園料など学校以外の費用の合計です。
大学費用も考えるなら、学費は国公立なら約250万円、私立大学なら約450~600万円です。進学先はまだ不明でしょうから、目安として500万円を見ておくとよいでしょう。 しかし、児童手当が総額で200万円支給されますから、それを大学資金に充てるなら、実質の自己負担は300万円です。0歳から準備するなら、児童手当に加えて300万÷18年÷12ヶ月=1.4万円を毎月積み立てれば良いという計算です。この積立額も考えて、毎月いくら子ども費用がかかるのか考えると良いでしょう。
支出と収入をコントロールするのは自分自身
ここまで、教育費の概要をお伝えしてきましたが、おそらく(1)の金額に大学の積み立てを加算して考えたとしても、子どもが1人増えたからといって負担が大きすぎるというほどの金額にはならないと思います。一方、(2)の金額で考えると、子どもが1人増えると、家計への影響は大きいかもしれません。 しかし、そもそも支出の配分は自然と変わります。夫婦それぞれの趣味代、美容院代、洋服代、それらに伴う交通費など、毎月いくらくらい使っているでしょうか。意識している人は少ないものですが、子ども1人分の教育費程度は支出しているのではないでしょうか。 しかし、子どもが増えるとこれらにかける時間がなくなるので、支出もできなくなります。したがって、親のこれまでの支出は子どもに向けられるのが一般的です。 とはいえ、親の支出が減るからOKという単純な話でもありません。表を見ていただきたいのですが、(1)の金額と(2)の金額の差額は、親がコントロールできる金額です。必ずかかる費用ではありません。よそはよそ、うちはうちです。周囲に流されると、無駄な支出が本当に多くなります。 また、子どもにお金をかけてあげたいと思うなら、収入を増やすという方法を考える必要があるでしょう。多くの家計を見てきた経験からいうと、当然ですが、夫婦とも正社員の家庭より夫婦の一方が扶養内で働いている家庭の方が、生活がカツカツという状況が多いです。