【密着取材・動画あり】希少「屋久島天然シマアジ」 豊洲市場でキロ5000円…高級魚の「一本釣り漁から初物出荷」までを追った
鹿児島県の屋久島でシマアジ漁が24日始まった。漁期は約1カ月間と短く、しけが多い時季だけに天然物は希少だ。東京・豊洲市場では1キロ当たり5000円で取引される高級魚。今季の「初物」が送り出されるまでを追った。 【写真】豊洲市場向けのシマアジは鮮度を保つため、出荷準備直前まで生かし「神経締め」する
昔ながらの手巻きの一本釣り。シマアジは口周りが弱く、針が外れやすい。釣り上げる力と速さのバランスが大事だが、サメにかっさらわれることもある。「焦らず急いで」が鉄則だ。 「漁場は潮流も速い。難しいから楽しさを見いだせる」と漁師の阿蘇品〔あそしな〕喜文さん(67)。水揚げから数日寝かせてさばいた刺し身は「脂がのり、味に深みが出て絶品だ」と称賛する。 初物が上がったのは解禁2日目の25日。鮮度を保つため、漁船のいけすで生かし、出荷する26日早朝に「神経締め」した。魚の扱い方は豊洲市場側と協議しながら試行錯誤を重ね、現在の形になったという。 初物は3~4キロ台が中心で最大5.7キロ。計17匹に専用のロゴマークが付けられ、県本土に向かうフェリーに運ばれた。出荷準備には他の船の漁師仲間も協力。一緒に見送った阿蘇品さんは「今季も出せてうれしいよ」と、ほっとした表情を浮かべた。
南日本新聞 | 鹿児島