「8畳」の部屋にエアコンを購入したい場合「6畳用」で事足りますか?「60年間」変わらぬ「畳数の目安」に潜む落とし穴とは
エアコンを購入する際、目安として畳数をチェックする方も多いでしょう。しかし、実際は戸建てやマンション、アパートでは条件が異なるため、畳数表示のみを基準として購入すると適切ではない可能性があります。 そこで本記事では、エアコンを購入する際の適用畳数の目安や選ぶ際のポイントについてご紹介します。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
エアコンを購入する際の目安となる「畳数」には落とし穴がある
エアコンを購入する際、自分の部屋には何畳用のエアコンが適しているか迷う方もいるでしょう。目安として「6畳用」「8畳用」といった表示をチェックする方も多いのではないでしょうか。 しかし、この「畳数」には落とし穴がある場合があります。なぜなら、畳数表示は1964年に制定された規定といわれているためです。 1964年の家の構造と現在の家の構造は異なります。1964年頃は木造住宅が一般的でしたが、現在は木造だけでなく、鉄骨や鉄筋コンクリートの住宅も増えています。そのため、昔の基準で定められた畳数のみを目安として購入すると無駄な電力を使うなど失敗の原因となる可能性があります。
適用畳数の目安とは
エアコンを購入する際の適用畳数は一般的に「8~12畳」のように表記されています。家の構造上、木造住宅と鉄筋住宅とでは機密性の違いから室内を適温にする能力に差が出るからです。 例えば、「8~12畳」と表記されている場合、低い方の数字は木造平屋建て南向き和室を基準、大きい方の数字は鉄筋アパート南向きを基準にしているようです。 そのため、設置する予定の部屋の構造の違い(木造か鉄筋か)、部屋の向きなどがどちらに近いかを考えて購入の目安としましょう。
エアコンの電力効率は部屋の条件や暖房・冷房によって異なる
エアコンは、暖房と冷房とでは室内を適温にする能力が異なるため、それぞれの「能力(キロワット)」が表記されています。一般的な6畳用のエアコンの能力と消費電力を表1にまとめました。 表1
※筆者作成 同じエアコンでも、冷房と暖房では能力や消費電力が異なることが分かります。冷房より暖房の方が消費電力が大きく、エアコン自体のパワーも必要です。そのため、暖房を使用する場合、8畳の部屋に6畳用のエアコンでは部屋が十分に温まらない可能性もあることを理解しておきましょう。 ここで、6畳用のエアコンと8畳用のエアコンを設置した場合の電気代を比較してみます。電気代の計算式は以下の通りです。 計算式:期間消費電力量 × 料金単価(円/キロワットアワー) なお、期間消費電力は600キロワットアワー(6畳用)と、700キロワットアワー(8畳用)とします。電気単価は、公益財団法人全国家庭電気製品公正取協議会が定める31円/キロワットアワーとします。 上記で計算すると、6畳用のエアコンの場合は年間1万8600円、8畳用のエアコンの場合は2万1700円の電気代がかかるようです。 つまり、畳数に合わないエアコンを設置すると、年間で3100円ほど損する可能性があります。