イヤホン型脳波計を事業で活用 サイバネックス、CEATECに出展
イヤホン型脳波計を開発するCyberneX(サイバネックス)は、脳波計を活用した企業向け支援事業を展開している。イヤホン型脳波計「XHOLOS(エクゾロス)」シリーズを使い、さまざまな環境下で脳波を計測できるようにすることで、新サービスにつなげたい考えだ。 【関連写真】CEATECに出展し、イヤホン型脳波計のデモを実施した 企業支援として、エクゾロスと専用のソフトウェアを使い、顧客が脳波を活用できる体制づくりを支援する。実証実験の場も提供する。 リラックス効果などの裏付けに脳波を活用したいと考えるメーカーが、製品開発の際に活用している。 脳波は、目の瞬きの影響も受けるほど微弱なため頭部での計測が一般的だが、富士ゼロックス(現富士フイルムビジネスイノベーション)が耳の中での脳波計測に成功。その後独立し、2020年5月にサイバネックスとして創業した。22年にはイヤホン型脳波計エクゾロスを発表した。 市川貴教事業開発マネージャーは「耳の中はノイズを受けにくく、きれいな脳波が取れる。病気を検出したり、脳の部位の活動を測ったりはできないが、リラックス状態か集中状態にあるかを知ることはできる」と話す。 耳を塞がない貼り付け型モデルや、今年4月には防水モデルも追加。水中でも脳波を観測できるようになり、入浴剤メーカーから導入の検討もあるという。 イヤホン型脳波計を活用したリラクゼーションサロンも開設している。プロジェクトを検討している顧客が実際に体験することで、脳波計測の効果について納得してもらうことにつながっている。 現在、エクゾロスはB2B(企業)向けにレンタルで提供しているが、今後は一般消費者も購入できるようにすることを目指す。 市川事業開発マネージャーは「企業に広まってきている段階。さまざまな環境下で利用してもらい、活用場面を増やし、新しいサービスにつなげたい」とし、「一般消費者の活用法としては、自身のライフログを付ける活用法がある」と期待している。 15日から開催中の「CEATEC」にも出展。今年はスタートアップ限定のピッチコンテストに出場し、「CEATEC賞」も受賞した。市川事業開発マネージャーは「導入実績が増えてきて、案内しやすくなった。お客さまへのニーズも広がってきている」と出展の手応えを語り、教育や生産評価の分野への参入にも期待を示した。
電波新聞社報道本部