走りの復活!「R32」スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発
グランプリ出版は、『R32スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発<増補二訂版>』を刊行した。本書は日産自動車創立90周年を記念しての出版であり、R32型『スカイラインGT-R』がグループAレースで収めた成功と、その技術開発の裏側を記録した一冊である。 【画像全5枚】 R32スカイラインGT-Rは「走りの復活」を目標に開発され、1989年に16年ぶりにGT-Rが登場した。そのレース仕様車は、ニスモ仕様をベースに設計され、グループAをはじめとするレースで輝かしい成績を残した。本書では、レース仕様車の開発に直接携わった当事者が、開発の背景や技術的な挑戦を語り、当時の開発現場の雰囲気を克明に描写している。 今回の増補二訂版では、新たにRB26DETTエンジンの開発ストーリーを巻頭に追加した。このエンジンはR32GT-Rの心臓部であり、高性能を支える核となる存在である。著者の石田宜之氏は、開発チームがひとつの目的に向かい、全力を尽くした結果としてR32GT-Rが完成したことを「優れた指揮者の元での英知とパワーの結晶」と表現している。追加された28ページにわたる回想記は、当時の熱気をリアルに感じさせる内容だ。
レスポンス 高木啓