1軍再昇格の巨人・萩尾が躍動、先発し2塁打・全力疾走で内野安打・飛びつきキャッチ…重苦しいチームに一筋の光
楽天3―0巨人(交流戦=13日)――楽天が5投手の零封リレーで3連勝とし、今季初の勝ち越し1。四回にフランコの適時打で先制し、七回には辰己の適時打などで加点した。巨人は今季最長の6連敗。 【写真】逆転のプロ2号2ランを放った萩尾(4月14日)
巨人は今季最長の6連敗となり、開幕直後以来の借金生活に突入した。阿部監督は「まず連敗を止めることを目標にやって、最後(のカード)は勝ち越して終わりたい」と前を向いた。
何とか苦境を脱したい指揮官の思いは、この日の選手起用にも表れた。一軍に昇格してすぐ、8番左翼で先発した萩尾も、その意図を理解していた。三回の第1打席、初球からスイングを仕掛けた。「(前日まで)負けている状況だったので、もう思い切っていくだけだと思っていた」。いきなり右中間を破る打球を飛ばし、チーム初安打となる二塁打を放った。
五回は三塁へのボテボテの当たりで全力疾走し、内野安打とした。その裏には、左中間への飛球に飛びつき、一度はグラブからこぼれながらも、抱えるように捕球し直すファインプレー。2年目の外野手が見せた気迫あふれるプレーにチームは沸き立った。
開幕から一軍に名を連ねた今季は出場機会を増やし、上位打線でも起用された。しかし、「初対戦の投手ばかりで本当に難しい」と好結果は続かず、5月30日に出場選手登録を抹消された。ファームでは、試合後に橋本二軍打撃コーチとともに約2時間の居残り練習を行うなどし、打撃フォームについて「軸足の使い方から全部を見直した」。11日の二軍戦で満塁本塁打を放ち、復調してきたところで一軍に呼ばれた。
連敗ストップの立役者とはなれなかったものの、萩尾の躍動は重苦しい雰囲気に一筋の光を差した。こうしてもがきながらも、チーム一丸となって浮上の足がかりを探していく以外にない。(井上雄太)