「見るだけで気持ちが疲弊する…」要介護となった老親が住む“ゴミ屋敷”。足の踏み場もない実家が「4時間後に迎えた結末」が凄すぎた
これには別の問題もある。介護報酬目当てで契約先を増やし、一件あたりのサービスの質を著しく落とすことで利益を出しているような業者も中にはある。 ■ゴミ屋敷清掃は、終わりではなく「始まり」 昼休憩を挟み、午後は1階に残った冷蔵庫などの家電を搬出し、2階の作業に取りかかる。困っているから片付けを依頼したのに、家の中が空になってくるとなぜか寂しさが込み上げてくる。作業時間が4時間に近づいてきた頃、依頼者の明子さんが話し始めた。
「ゴミ屋敷清掃の動画を見ていると、誰かのお母さんでも、どこかで働いている会社のお偉いさんでも、その人生がいったん別の形になるから、“お疲れさまでした”っていう気持ちになります。次の段階に進まれるわけですから。知らない方でもそういう気持ちになる。 今回はひとりでバイクに乗ってお買い物に行っていた頃から知っている方(この家に住んでいた80代の女性のこと)なので、寂しいですね。 逆に忙しくて部屋が汚くなってしまって、もう一回人生やり直すために引っ越しする方には、“頑張ったね”って気持ちになるんです。だって、新しいスタートじゃないですか。今までは悩んだり下向いたりしていたけど、イーブイさんに来てもらってみなさん声が明るくなったり、力が入ったりしているじゃないですか。門出ですよね」
部屋に住んでいた人の歴史が徐々になくなっていく。しかし、その後には新しい生活が待っている。ゴミ屋敷の清掃は、終わりではなく、始まりである。 【写真】「どうやって生活していたのか…」足の踏み場もない実家が4時間で片付いた! 【ビフォーアフターを見る】(43枚)
國友 公司 :ルポライター