「見るだけで気持ちが疲弊する…」要介護となった老親が住む“ゴミ屋敷”。足の踏み場もない実家が「4時間後に迎えた結末」が凄すぎた
まずは、介護をする親族が同居しているパターンから。 「この場合、家の中にあふれているゴミは介護をしている親族のモノであることが多いんです。というのも、親族は要介護者の世話でいっぱいいっぱいになっているので、介護ベッドの周りは片付いている一方で自分のことがおろそかになってしまっているからです」 二見氏の祖母が介護施設に入所する際、母親が言っていたことが今でも忘れられないという。 「私、何のために貯金してたんだろう。自分の老後のために貯金してたのに、お金ばっか飛んでいって」
決して薄情なわけではなく、親への愛情は間違いなくあった。ただ、それを上回るしんどさが介護にはあるのだと、二見氏も再認識したという。 ■ゴキブリが老人の体を這い、糞尿にまみれた部屋 次は、要介護者が一人で住んでいてヘルパーが出入りしているパターン。ヘルパーが週に何度も訪問しているのであれば、部屋も散らかることはないと思ってしまいそうだ。ただ、そううまくはいかない。 「私たちもこの仕事を始めたばかりのときは、ヘルパーさんが出入りしているのにゴミ屋敷化している家を見て、 “なんで片付けてあげないんだろう?”と疑問に思っていました。でも、ヘルパーさんは家政婦ではないので、勝手にゴミを捨てたりモノを片付けたりすることはできないんですよ」(二見氏)
要介護者に「片付けてほしい」と頼まれたとしても、応じられないという問題がある。そもそもサービス外の作業であるし、よって部屋を片付けるための時間は確保していない。次の家に訪問する時間も迫っているので、スケジュール的にどうしても無理なのだ。 生ゴミが散乱しているなど業務に支障をきたす場合は、現場のヘルパーがケアマネジャーに報告し、ケアマネジャーからイーブイに依頼の連絡が来る。ただ、それも介護支援事業所の個々が判断することだ。
二見氏が以前、一人暮らしの高齢女性から片付けの依頼を受けて大阪市内にある団地の一室へ見積もりに行った際、こんなことがあった。 「チャイムを鳴らしても誰も出てこないので扉を開けたんです。そうしたら、玄関におばあちゃんが横たわっていて、“暑くてしんどい”って言うんです。家の中は生ゴミだらけで、おばあちゃんの体には何匹もゴキブリが這っていました。人工肛門で生活されている方で、家の中は糞尿だらけでした。ヘルパーさんも出入りしていたみたいですが、状況は改善されず、耐えきれなくなって自分で連絡してくれたんです」