女性向け「災害用レディースキット」のニーズが増加。販売会社がコンドームを入れた理由と「意外な使い方」
セットの中にはオリジナルプロダクトのコンドームをセット
「災害用レディースキット」は、災害時でも3日間、オフィスや避難所で女性が快適に暮らせるよう、 12種類の衛生用品がセットになった「3days Box」、10種類の衛生用品を詰めた「1day スリムBox」(2cmの隙間さえあれば収納可能)、急な出張やお泊りなど、災害時に限らずフェーズフリーで活用できる、8種類の衛生用品がセットになった「ミニマムキット」の3種類ある。 生理用品、リフレッシュシート、メイク落とし、カイロなど女性にとって災害時にあると心強いものばかりだ。 「仮に防災用品の管理や窓口が男性でも、これなら中身がわからないようになっていて、生理用品を男性から受け取るのに抵抗がある人でも受け取りやすいようになっています」 また、こうしたセットの中にはコンドームが入っているものもある。 「災害時において、避難所などで女性が性暴力、暴行事件を受けるという事態が起こっています。何か予防できる方法がないかを考えていたときに、本来は緊急避妊薬をセットしたかったのですが、日本の法律では処方箋がないといけないものなので叶いませんでした。代案を考えて、ご自身を守るものとしてというメッセージを形にしたくてコンドームをセットにしました。 もちろん、企業側がコンドームは不要と言われれば、外して納品することもできます」 また、コンドームのパッケージの裏には、止血や水を汲むなど災害時のコンドームのさまざまな使い方も紹介していて、細かい配慮もされている。 こうして誕生した「災害用レディースキット」は現在、多くの企業から導入のオファーを受け、納品されている。 「実際に被災された地域の企業や事業所がある企業は、災害時に女性用の衛生用品は、なかなか手に入れることができなかった経験があるので、導入をすぐに検討されることが多いですね。 誰もが生きやすく、安心して働くことができる風土づくりは企業にとって大切なことだと思っています。『災害用レディースキット』は、あくまでもそういった取り組みの一つとして、女性活躍推進を考えてもらえるきっかけにしていただきたいですね」 同社は、今年1月に本社を移転し、働く時間に一時的に独りになり、モードチェンジできる場所「セルフメンテナンスルーム」やモードチェンジを後押しする「アメニティバー」作るなど、新しい働き方を提案するライブオフィスを展開している。 「『働く空間』と『働かない空間』を融合し、新しい働き方の概念として、働く時間にモードチェンジできるブースを設置しました。 3つのタイプがあり『リラックしたい』『少し仮眠したい』『ホットフラッシュによるほてりを落ち着かたい』など用途と体調を合わせて選択することができます。ブースの中で何をするかを定義しない形状と外装にすることで、ONとOFFのグラデーションを設計。 また入口と出口を分けることで使用者同士が顔を合わせないで済むようになっています」 アメニティバーではアロマディフューザーやストレッチ器具などのアシストグッズとマウスウォッシュやリフレッシュシートなどのアメニティグッズがあり、社員が気軽に立ち寄れるようにオープンバー形式になっている。 「女性活躍推進はあくまでも多様性の一歩なので、誰もが利用できて、働きやすい環境づくりのサポートを今後もさまざま角度で提案していきたいと思います」 取材・文/百田なつき 写真提供/株式会社オカモトヤ
百田なつき