女性向け「災害用レディースキット」のニーズが増加。販売会社がコンドームを入れた理由と「意外な使い方」
東京都では大規模災害などに備えて「東京都帰宅困難者対策条例」が定められていて、事業者に従業員の3日分の食糧などの備蓄の努力義務が課せられている。東日本大震災以降、水や食料を備蓄するなど都民の防災意識は高まっているが、生活必需品として生理用品など「女性のための衛生用品」を備蓄している企業はどれくらいあるだろうか? 「災害用レディースキット」を企業向けに販売している株式会社オカモトヤの代表取締役社長・鈴木美樹子氏に開発の思いを聞いた。 【画像】災害レディースキットの中身
企業の女性活躍推進のサポートとして開発
「災害用レディースキット」は災害時に便利な女性の衛生用品がセットされた、同社が開発した防災用品だ。 創業112年の同社は、オフィスの空間設計、ICT構築、文具事務用品販売などを行う商社だが、社会貢献に直結するような事業で他社と差別化を図っていこうと考えた中で、生まれた事業が「Feline(フェルネ)」だ。 「フェルネは女性活躍推進やフェムテック商品の取り入れなど、女性のQOL向上につながる取り組み=“フェムアクション”の選択肢を増やし、実施のハートルを下げ、社会全体のフェムアクションを増やすことを目指す事業です。 私がちょうど社長に就任する2022年4月に女性活躍推進法が改正されましたが、まだ何をしていいのか手探りの中小企業は多かったです。そこでそんな企業の悩みをサポートしていくのがフェルネで『災害用レデイースキット』はその一環として開発されました」(鈴木さん、以下同) 「災害用レディースキット」が誕生したきっかけは、取引先の工場から女性向けの衛生用品をセットにした防災用品を作ってほしいという依頼だった。 その頃、同社では、乾パンや水などの防災用品は納品した実績があったが、まだ女性向けに特化した防災用品はなかった。 「東日本大震災では、水や食料以外にマスクなどの衛生用品の不足が問題になりました。また、企業では帰宅困難者のため、災害があった際に他の拠点に送れるようするなど災害用品の備蓄を強化するようになっていて、防災への意識が高くなっていました。 工場からの依頼はフェルネを立ち上げる直前でしたが、女性用の防災用品は今後もほかの企業からニーズがあるのではないかと思い、開発しました。 当時、その工場の営業の担当は男性でしたが、同じチームの女性社員をプロジェクトに加えて、女性目線で必要なものを開発し、女性のための防災用品『災害用レディースキット』が誕生しました。 これを導入していただくことで、企業の女性活躍推進の取り組みをサポートできますし、女性が安心して働ける環境づくりのお手伝いができると思っています」