株式市場の強気相場の3つの原動力は今後のリターンの低下を示唆している(海外)
エコノミストのデービッド・ローゼンバーグは、バリュエーションや金利などの重要な要因は極限の水準にまで達しており、今後株価の上昇は減速するだろうと述べた。 【全画像をみる】株式市場の強気相場の3つの原動力は今後のリターンの低下を示唆している ローゼンバーグは、株式市場がさらに上昇するためには、企業の営業利益が急増する必要があると指摘している。 「株式市場をさらに活気づけるための原動力はほとんど残っていない」とローゼンバーグは話している。 過去30年間の株式市場の大幅な上昇の主な要因が極限まで近付いてきており、将来のリターンが大幅に低下することを示唆している。 これはエコノミストのデイビッド・ローゼンバーグ(David Rosenberg)の見解で、彼は2024年11月13日に顧客向けのメモで、アメリカの株式の上昇が限定的である可能性を考慮して事に備えるよう警告している。 「株式市場を引き続き盛り上げる要因はほとんど残っていない」と、ローゼンバーグは言う。 ローゼンバーグが特に懸念しているのは、最近のバリュエーション、金利、税金の動向だ。ローゼンバーグによると、これらは極端な水準にまで達しており、それが企業の利益に下落の圧力をかけ、その結果、株価にも影響を与える可能性があるという。 ローゼンバーグが心配しているのは以下の3つの要素だ。
株式の評価額
ローゼンバーグは、S&P500の先行型株価収益率(PER)が22.3倍であり、これは過去の平均から1標準偏差以上も上回っており、2021年のコロナ禍のテックバブルのピーク以来の最高水準であることを指摘している。 こうした高いバリュエーションと、世界金融危機前の直前の水準を上回る極端な強気の心理が相まって、ローゼンバーグは、バリュエーションがこれ以上上昇する余地はほとんどないことを示唆しているという。 「これ以上、拡大する余地はない」とローゼンバーグは話している。 株式市場のバリュエーションの上昇の有無は、企業収益が伸び続けるかどうかにかかっているが、ローゼンバーグによると、その可能性は低いと考える理由があるという。