受験レースに出遅れた娘が「AO入試で慶応に行きたい」 綱渡りスケジュールでオンライン出願
マイペースでスロースターターの娘が口にしたのは「どこの大学に行きたいのかも、将来何がしたいのかもわからない」という言葉。目標が見つからず、受験勉強に身が入らない娘に本山和子さん(仮名)が提案したのは、総合型選抜(AO入試)という入試方法でした。 【写真】絶対に行きたい慶応大学、AO入試は不合格だったが…一般選抜で生きた「瞬発力」
「どこの大学に行きたいのかも、将来何がしたいのかもわからない」。高校2年も後半に差しかかり、いよいよ大学受験に向けて準備を始めようというとき、娘が思わずポロッとこぼしたのは、こんな言葉でした。 娘は小さいから何をするにもゆっくりなタイプ。高校3年になる前に、志望大学の調査や選択授業の申請などが始まり、同級生は受験を意識し始めていました。しかし、娘はその流れに乗れず、すっかり出遅れてしまいました。 一方、母親の私は効率第一で超せっかち。子どもが行動する前に、つい先回りをしてしまうタイプです。そのため、自分の中でしっかり腹落ちしてからでないと動けない娘とは、いろいろな場面で衝突しており、大学受験へ向けた話し合いも当時はほとんどできない状態でした。 そんなとき、外部模試の結果を受け取るために訪れた塾で、総合型選抜(AO入試)という入試方法に出合いました。
「好きなものには猪突猛進」
娘も私も、大学入試といえば一般選抜(一般入試)しか頭になく、総合型選抜は特別な成績や才能を持った人の入試方法だと思っていました。しかし、たまたま訪れた塾が総合型選抜入試に精通しており、「お嬢さんは一般選抜よりも総合型選抜のほうが合っているかもしれません」と言われて驚きました。 たしかに娘は人一倍好奇心が強く、好きなものには勉強そっちのけで猪突猛進します。いろいろなものに興味を持っては物怖じせずチャレンジするので、レポートやものづくりで学校内外の賞をもらう機会が何度かありました。最初は「無理」と言っていた娘でしたが、自分でも総合型選抜について調べたのでしょう。それから1カ月ほどたったころ、「AO入試で慶応を受験する」と言い出しました。小さなころから絵やものづくりが大好きだったので、その延長線上で研究したいテーマが見つかったようです。慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の環境情報学部を第1志望に決めました。