J2開幕ドロー発進のセレッソ大阪は、1年でJIに戻れるのか?
チームとして具体的な勝ち点の目標は立てていない。目の前の1試合1試合をしっかりと戦い、勝ち点を積み重ねながら、フォルランがいなくなる後半戦へ向けて新たな力を育んでいく。そうしなければ視界は良好にならないと玉田は言う。 「どんどんよくなっていくはずだし、よくしていかなきゃいけないよね。このままでいったらまずいというか、ダメだと思うから。やはり個々の能力といったものは高いから、個の力を組織としてのストロングポイントとして出せるようになれば。自分もそうだけど、特徴というものをもって出していけばチームとして機能していくと思う」 どんなに豊富な戦力を擁しても、チームとしての方向性が定まらなければJ1への復帰がかなわない例は、ジェフユナイテッド市原や京都サンガ、そして昨シーズンのジュビロ磐田を見れば明らかだ。対照的にぶれなかった柏レイソルとガンバ大阪は1年でJ1に返り咲き、即リーグ優勝という快挙を達成している。 同じく降格した大宮アルディージャと並び、J2のレベルを超越した陣容を整えたセレッソが1年で再びサクラを咲かせる鍵は、「勝利」と「進化」の二兎を追うこと。難しい作業を託されたアウトゥオリ監督は「まだチームを作り上げている段階」とした上で、開幕戦で得た手応えに笑顔を浮かべた。 「今日の収穫は選手たちが見せたスピリットだ。最大の目的は、メンタルを含めた強いチームをいかに作り上げていくか。後退することなく歩みを前へ進めていく上で、今日の試合で見せたゴールを目指す動き、ボールを前へ運ぶ姿勢は第一歩となる」 15日のホーム開幕戦では、ライバルのひとつと目されるアルディージャと対戦する。 「決め切れなかった部分もあったが、いまのプレーを続けていけばゴールと勝利という結果を得られる」 前半戦のキーマンとなるフォルランは晴れやかな表情で2試合連続ゴールと、目標とするJ1復帰へのはるかなる序章となる初勝利を約束した。 (文責・藤江直人/スポーツライター)