【実は危険】『炭水化物抜きダイエット』をおすすめできないのはなぜ? 管理栄養士解説
炭水化物抜きダイエットがおすすめできない理由
編集部: 炭水化物抜きダイエットがおすすめできない理由はなぜですか? 村瀬さん: 炭水化物を抜くことで、身体に必要なエネルギーを生成することができなくなるためです。糖質の代わりに、脂質や筋肉が分解されるため、筋肉の低下につながります。また、炭水化物を摂取しないことで食物繊維の摂取量も低下するため、腸内環境が悪化し、便秘の原因になります。 編集部: 炭水化物抜きダイエットは便秘の原因になるのですね。 村瀬さん: そうですね。食物繊維=炭水化物のひとつですので、炭水化物を減らすと必然的に食物繊維摂取量が減り、便秘を引き起こします。食物繊維には、水に溶け便通の流れをよくする水溶性食物繊維と水に溶けず便をまとめる不溶性食物繊維があります。これらが不足すると腸で便をまとめられず、腸への刺激が弱まり蠕動運動が起こりにくくなります。そして、水分量の不足で、スムーズに排便を促せず、便が腸内に滞るため便秘になります。 編集部: だから炭水化物抜きダイエットだと太りやすくなるのですね。 村瀬さん: それだけではありません。炭水化物抜きダイエットを長期間継続すると、身体が飢餓状態と判断してしまいます。その結果、ほんの少し炭水化物を食べただけで、体に脂肪として蓄積しようとしてしまいます。なぜなら、血糖値を下げるインスリンは、余分な糖を筋肉に蓄積するグリコーゲンや脂肪に蓄積する中性脂肪の合成を促進しますが、飢餓状態では脂肪の蓄積が亢進します。 編集部: おすすめしないのに糖質制限ダイエットが流行る理由はなぜですか? 村瀬さん: 糖質制限ダイエットは、食事全体の量を減らすカロリー制限のダイエットよりも手軽に感じるためではないでしょうか。満足のできる食事の量や、たんぱく質源になる肉類の摂取が可能なため、ストレスなくダイエットできると、女性を中心に人気になりました。しかし、炭水化物抜きダイエットの効果は一時的であり、3カ月程度続けると体重が減らず挫折し、リバウンドに悩むという結果になります。