【実は危険】『炭水化物抜きダイエット』をおすすめできないのはなぜ? 管理栄養士解説
一時期「糖質制限」が大流行し、主食を食べずにおかずだけ食べる炭水化物抜きダイエットを実践する人が増えました。確かに、炭水化物を抜くことで体重が減少すると感じる人もいますが、炭水化物を抜いたダイエット法による体重の減少は一時的であり、健康的な身体作りには適していません。そこで今回は、炭水化物抜きによるダイエットのリスクやおすすめできない理由を管理栄養士の村瀬さんに聞きました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
炭水化物を減らすことで体にどんな変化が起こる? 体重が減るのはなぜ?
編集部: 基本として炭水化物の働きを教えてください。 村瀬さん: 炭水化物は三大栄養素の一つで、糖質と食物繊維で構成されています。糖質1gで4kcalのエネルギーになり、吸収効率が早いため身体を動かすための主なエネルギー源となります。炭水化物が多く含まれている代表的な食べ物は、主食である米やパン、うどんやそばなどの麺類、ジャガイモやさつまいもなどのイモ類です。 編集部: 炭水化物を減らすと体にどんな変化が起こりますか? 村瀬さん: 必要以上の炭水化物(主に糖質)の摂取は、脂肪を蓄積する原因となります。一方で、炭水化物を減らすことは脂肪の蓄積の抑制だけでなく余分な水分が体の外に排出されます。しかし、炭水化物はエネルギー源であるため、過度に減らすと集中力低下や筋肉の分解、身体への不調を招きます。 編集部: 筋肉が分解されるのですか? 村瀬さん: 糖質からのエネルギーが生成できない場合、体内に蓄積されている脂肪や筋肉を分解してエネルギーを作り出します。とくに筋肉は、脂肪よりも20%ほど重いので、効率よくエネルギーとして使えるため、分解されてしまいます。 編集部: 体内の水分が減るのはなぜですか? 村瀬さん: 糖質は水分と結合した形で存在し、体内の水分量を保持しています。炭水化物の摂取を控えることで、体内に余分な水分が保有されず、一時的にむくみが取れたような体になります。炭水化物を抜いた食生活を始めた当初に体重の減少が見られやすいのは実は水分が抜けただけであり、ダイエット成功したと感じる理由にもなります。