東京五輪ボクシング危機にプロアマ歴史的握手もプロ五輪参加は女子以外無理?!
それらのプロ解禁問題以前に、東京五輪でボクシング競技が存続できるのか、という危機に直面している。 先日、ロシア・モスクワで行われたAIBAの総会で、会長選挙が行われ、米財務省から「麻薬売買に関わる犯罪者」とマークされているガフール・ラヒモフ氏(ウズベキスタン)が当選した。IOC(国際オリンピック委員会)は、そういう人間をトップに抱く組織のコンプライアンス、ガバナンスを問題とし、東京五輪からの除外を検討している。 この日も、この問題についての対策が議題に挙がり、プロ、アマの両競技団体は、近日中に存続に向けての共同声明を発表。プロアマ合同で、すでにスタートしている存続を訴える署名運動を25日まで続けることを決定した。 IOCのトーマス・バッハ会長が来週に来日。30日に東京で開かれるIOC理事会に参加し、そこでボクシング競技の除外問題が話し合われるが、その際に「100万人を目標」に署名を集め、手渡したいという。 「プロ側にも協力していただき、なんとか存続にむけて頑張りたい」と内田会長も悲壮な決意だ。 五輪の存続問題と平行して連盟には、さらなる逆風が吹く。この日、JOC(日本オリンピック委員会)が交付金の不正流用などの一連の連盟の問題に対する処分として2018年度の強化交付金、約1580万円を支給しないことを決定したのだ。 「処分は厳粛に受け止め、前向きに努力していきたい」と、内田会長。たとえ東京五輪での存続が決まったとしても強化費がストップすれば、メダル獲得に向けての選手強化が壁にぶちあたることにもなる。 何食わぬ顔でテレビに出演している山根前会長が残した“負の遺産”は今なお重くのしかかっているのである。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)