小池都知事の定例記者会見9月30日(全文1)盛り土なしを決定したプロセス
豊洲市場の地下空間 盛り土をしないことを決定したプロセスについて
それから3番目でありますけれども、いわゆる豊洲市場の地下空間についてでありますけれども、自己検証をするようにということで9月いっぱいを期限といたしまして、まとめるように指示をしておりましたところ、事務方からその報告が届きましたので、お知らせをさせていただきます。まず基本的な考え方として、都の職員が自ら問題に向き合う、そして問題の原因を解明するということが必要と考えまして、まさしく都政改革本部にあります第1の自律改革ということで、都職員自らが今回、何が問題であったのかということ、この調査に当たらせた、検証に当たらせたところでございます。そして、この会見のあとに事務方から調査結果についての詳細なご報告については説明をさせますけれども、私のほうから重要な2点についてお伝えをしておきます。 まず1点目でありますけれども、いつ、どの時点で、誰がこの盛り土をしないということを決定して、そういうことになったのかという点であります。論点がいつ、どの時点で、誰が決定して盛り土をしないことになったのか。2点目、なぜ都議会、都民などへの説明責任を果たしてこなかったのかということであります。都民等への説明責任ということでありますけれども、例えばホームページ上はずっと建物の下も盛り土があるというような説明、図をそのまま掲載し続けたという点でございます。都議会には、都議会における答弁などでも明確な事実、ファクトを伝えていなかったという点などがございます。 で、まずその1点目でございますけれども、いつ、どの時点で、誰が決定して盛り土をしないことになったのかという点でございますけれども、当時、そして現在の幹部職員へのヒアリング、そして過去の資料などを精査いたしまして、その結果として盛り土をしないことを決定するに至ったプロセスとすれば、大きく分けて5つの段階があっただろうということであります。 まず第1段階として、平成20年から21年ごろ、その時期は技術会議が開催されて、土壌汚染対策工事の内容と一緒にモニタリングや、万が一の際に作業するための空間の必要性が議論されていたという時期であります。そしてこれに並行しまして、市場当局の技術担当部門では空間を地下に設ける場合の技術面での可能性と課題について検討を開始したということでございます。時系列でチェックをすると、そういう流れがまず第1段階でございます。 第2段階でございますが、基本設計の時期となっておりまして、平成22年の11月に基本設計の起工が決定され、この際の特記仕様書には地下とは書かれておりませんけれども、地下という2文字はありませんけれども、モニタリングの空間設計等は本設計に含むという文言で明記がされているということであります。で、その後の設計事務所とのやり取りの中で都の側から地下空間のイメージ図を提示されるということなどで、地下を想定していた検討がなされてきているということでございます。 それから3段階目になりますと、平成23年8月18日、中央卸売市場新市場整備部におけます部課長級の会議でございますが、この会議においては地下にモニタリング空間を設置する方針を部のレベルで確認したと考えられております。 それから4段階目でありますが、平成23年9月に実施設計の起工決定が行われた時期となっております。仕様書として、地下空間が建物の下、全体にわたって示されている断面図が添付された資料がございました。で、この実施設計、実施設計起工の決裁が局として地下に空間を設ける組織決定となったということでございます。で、ですから、この第4段階のところで実施設計が具体的に明記されているということであります。 第5段階でありますけれども、実施設計完了の時点となりまして、高さ、寸法が明記された地下空間が建物下、全体にわたって示されておりまして、この時点をもって建物の下に盛り土がないことを最終的に確定したと判断されるわけでございます。つまり、基本設計から実施設計に向けたこの一連の流れの中で、地下空間を設けるということ、そして盛り土をしないということが段階的に固まっていったということが考えられまして、ここが問題なんですが、いつ、誰がという点についてはピンポイントということで指し示すのはなかなか難しい。で、それぞれの段階で、逆に言えばそれぞれの段階で、何か流れの中で、空気の中で進んでいったということで、それぞれの段階において責務が生じるものと考えております。