最悪は“分裂”の危機!?日本プロボクシング協会が組織改革進めぬJBCのゼロ回答に承認料など支払い停止の“最後通告”を決議
今年4月にJBCが協会員に不当なライセンス停止処分を下した際にもJPBAが処分の取り消しと協会員への謝罪を求める抗議文を提出したが、その際、抗議が受け入れられない場合は、承認料などの支払いを停止することを明記していたため、JBCがすぐさま処分を取り消した例がある。そこまではしたくないのが、JPBAの本音だろう。 しかし、第三者委員会を発足させて井岡のドーピング問題が“潔白”となってから半年が経過しようとしているのに、今なおJBCの責任の所在がうやむやのままで、組織改革も一向に進まず、本来ならば、二人三脚でボクシング界の発展に寄与すべき、両団体の信頼関係が回復されないため、“最終手段”に出ることを決定した。 週明けにもこれらの決定がJBCに通知されるが、それでもJBCサイドにJPBAからの要望を受け入れる姿勢が見られず、ガバナンスの健全化、信頼回復が期待できないと判断した場合、さらなる強硬手段を取る方針も確認された。試合におけるJBCの統括、管理をボイコット。協会が独自に各種の役員やレフェリーを集めて、前日計量から健康管理、試合運営までをすべて行うというのだ。ただ、その場合は理事会だけの決議ではなく、全国の協会員の意見を聞いた上で慎重にことを進める考えだが、JBCとJPBAの“分裂”という前代未聞の最悪の事態を迎えることになる。 本来JBCは、プロボクシングを競技として成立させるためのルールを定め、そのルールの厳守をチェックし、選手の権利や健康を守り、興行が正しく運営されるように管理する立場にある。一方で、興行、選手側の立場にあるJPBAからすれば、そのJBCの運営機能に問題が生じ、信頼関係が構築できていなければ、安心して統括、管理を委ねられなくなる。 JPBAからの“最後通告”にJBCがどう対応するのか。“分裂”という最悪の事態だけは避けなければならない。年末にはWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)とIBF世界同級王者の“世界最強”ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との歴史的なビッグマッチも決定した。日本ボクシング界のさらなる発展のために何が必要かの大儀を見ての決断が待たれる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)