偽情報対策に「オールジャパン」の技術集結 富士通や慶応大など
富士通は16日、大学や研究所などと共同で、インターネット上の情報の真偽を判定するシステムをつくると発表した。生成AI（人工知能）の登場で偽情報の脅威が増すなか、専門技術をもつ国内の研究者らが集まり、「オールジャパン体制」で対策に乗り出す。 【写真】富士通などによる偽情報対策の流れ 富士通、国立情報学研究所、NEC、慶応大、東京科学大、東京大、会津大、名古屋工業大、大阪大の9者が共同研究する。「新エネルギー・産業技術総合開発機構」（NEDO）を通じて国から60億円の支援を受け、2025年度までのシステム構築をめざす。 開発するシステムでは4段階で情報の真偽を判定する。 例えばSNS投稿に対しては、分析しやすいように画像や映像をテキスト化するほか、AIが作成した精密な「ディープフェイク」かどうかも検知する。次に、発信した人の位置情報や日時、場所などの情報、国や自治体の公式発表などとも照らし合わせて矛盾がないかを確認。最終的にこれらの分析を統合して、根拠とともに判定結果を表示する。投稿の拡散規模や社会的影響度も評価するという。 まずは自治体や民間企業での利用を想定し、将来的には一般の利用者が使えるようにしたいという。
朝日新聞社
