野球部員に祝福される岸本佑也選手（前列左から3人目）=2024年10月24日午後8時14分、奈良市秋篠町、佐藤道隆撮影

　24日にあったプロ野球のドラフト会議で、奈良大付の岸本佑也選手が楽天に育成枠1位で指名された。岸本選手は「高校で学んだ粘り強いプレーで、ショートとしても、ピッチャーとしても1軍で活躍できる選手になりたい」と目標を語った。 【写真】記者会見に臨む奈良大付の岸本佑也選手=2024年10月24日午後7時49分、奈良市秋篠町、佐藤道隆撮影 　この日午後5時前から始まったドラフト会議で、岸本選手の名前が呼ばれたのは午後7時半ごろ。岸本選手は「ずっとドキドキして待っていた。めっちゃうれしかった」と喜びを語った。 　奈良県橿原市出身で、身長180センチ、75キロ。最速147キロの直球を投げる強肩で、今夏の奈良大会では遊撃手だけでなく、投手も務め、準優勝に貢献した。岸本選手は高校3年間を、「苦しいときもあったけれど、監督や仲間の支えがあったからこそここまでこれた」と振り返った。 　田中一訓監督は「今まで指導してきた中で見たことがないぐらい肩が強い。細いけれど力があるので、心も体も鍛えて上のステージを目指してほしい」と期待を込めた。 　発表後、グラウンドでは約90人の部員らが応援歌「青のプライド」を歌いながら、岸本選手を迎えた。今夏の大会で主将を務めた村井玲司さん（3年）は「一緒にプレーした仲間がプロに行くので、とてもうれしい。ずっと選ばれると思って待っていた」と話すと、みんなで岸本選手を胴上げして祝福した。 　母の美代さん（49）は、「初めての寮生活で心配ですが、本人が意識して独り立ちしてくれると思う。これからはプロの世界なので、意識を変えて頑張ってほしい」と涙ぐんだ。父の徳晃さん（49）も、「（岸本選手は）三つ上の兄の背中を見ながら頑張ってきた。もう出ないやろと思っていたら指名されてびっくりした。夢みたいな話です」と喜んだ。（佐藤道隆）