「刺激しかない」ミュージカル『私は真悟』で今までの自分を破壊 小関裕太
恐怖漫画で知られる梅図かずお原作のSF漫画『わたしは真悟』がミュージカル化された。主演は女優・高畑充希と門脇麦で初共演することが話題になっている。12月2日、神奈川でのプレビュー公演を皮切りに全国ほか4カ所で公演が行われる。 悪役のロビンを演じるのは、若手俳優・小関裕太(21)。10歳で子役としてデビューし、『ミュージカル・テニスの王子様』など数多くの舞台をはじめ、ドラマ、CMなどの活躍を経て、同作品では今までに演じたことのない世界観と役柄に挑む。
演出のフィリップが全否定 今まで演じたことのないキャラクターに挑む
「この舞台には、僕はどこにもいません。いるのはロビンだけです」 演出家のフランスの鬼才・フィリップ・ドゥクフレは、まずは役者に演じさせてみてから、作り上げていくタイプ。小関が稽古に入った瞬間、「まったくロビンのイメージではない」と何もかもを否定したという。 「高くて、優しく感じるいつもの僕の声は、全然ロビンじゃないって言われました。今まで演じたことのないキャラクターで、初めはとまどいました。常にどう演じたらいいか、今でもロビンを探している状態です」 それでも準備は入念だった。映画やドラマと違って、ミュージカルに臨む際、小関がこだわるのは、歌える「喉作り」だ。 「喉は筋肉でできているので常に歌っていないと衰えていきます。発声や息の使い方などを深めていけばいくほど深いもので、喉の筋肉と言っても、いろいろな箇所にある筋肉を意識しながら動かして、歌うという訓練をします。ひとつひとつ鍛えていって開発していかないと音が当たらなかったり、繊細な表現ができなかったりするんです」 喉の筋肉は一日でも歌わないと衰えてしまう。苦労したのは、今夏、映画の撮影のため、地方の山奥へロケに行ったとき。 「山奥といっても、宿泊はホテルで、そんなところで発声練習をするわけにはいかないですからね。だからマネージャーさんにお願いして、近くのカラオケできる場所を探してきてもらって、そこで歌いました。それくらい切羽詰まっていました(笑)」