“職業系ドラマ”はどこまでリアル? 視聴者の厳しい目線に制作側も必死
テレビドラマには、医者や弁護士、警察官など特定の職業にスポットを当てて、その職種ならではのストーリー展開がなされる作品があるが、今やその扱うジャンルも多岐にわたっている。 芸能評論家の市川大介氏はいう。 「古くからドラマで扱われることが多かった医者や弁護士、警察官などに加えて、ここ数年では“鑑識官”や“マンガ編集者”、“ショコラティエ”、“労働基準監督官”など、これまでドラマではあまり扱われなかった職業の主人公にスポットを当てた作品が放送されるようになりました。それだけ世の中の職種が増えたということもありますし、ドラマの原作となることが多い漫画や小説などが扱う職業のテーマが増えているということもあるでしょう。その職業が実際にどんな仕事をしているのかを見せながらストーリーを展開していくというのは、視聴者にとって目新しく感じるし、制作サイドも、これまでと違った作品が作りやすいという利点もあるでしょう」
近年のドラマ作りにおいて重要度が増している“監修者”の存在
こうした専門的な職業を扱うドラマには、必ず“監修者”が存在する。 例えば、今年7月からスタートした人気女優・波瑠主演の「ON異常犯罪捜査官・藤堂日奈子」(フジテレビ系)は、警視庁刑事部捜査第一課の新人刑事・藤堂日奈子(波瑠)が、猟奇殺人事件の捜査にあたるというストーリーだが、本作では“警察監修”と“医療監修”の2人の専門家がスタッフとして名を連ねている。 「テレビドラマや映画のエンドロールを見ていると、“監修”や“指導”といった肩書きのスタッフの名前を目にすることがあると思います。彼らは、作品にリアリティーを持たせるために、仕事の経験や専門的な知識を活かして、台本や演出にアドバイスする役目を担っています。作品によっては、現場に来てもらい俳優陣に動きを直接指導してもらうこともありますし、その業界ならではの“符丁”や“隠語”を教えてもらうこともあります」(ドラマ制作会社スタッフ)